汎用パスワード発行プログラム　ソースと解説

前回はマイナンバーカードを受け取るときに必要なふたつのパスワードを作るプログラムを作りました。どのようなパスワードが必要かがすでに指定されていたので、使用する際には何も指定する必要がありませんから、プログラムとしては案外簡単なものでした。

今回は、文字の種類を指定し、さらにパスワードの長さも指定できる汎用のプログラムを作ります。

ユーザーが指定できるということは、入植値をチェックする必要が出て来ますから、それだけプログラムは複雑になります。

さらに今回は何度も実行して確認していたら、数字が含まれない場合も出てくるという事象に出遭いました。なるほど、確かに乱数で文字を選ぶので、たまたま数字にヒットしなかったということです。これを防止する為に、もし数字がふくまれていなかった時は、数字が含まれるまで自動的に繰り返すというしかけも作ります。

プログラム言語十進BASIC

パソコンで簡単に作れる物というと、以前はDOSベースのBASICがありましたが、今や、Windowsの時代です。そこで、以前も使ったことのある。十進BASICを使うことにしました。もちろんこれもコンパイル不要のインタープリター型です。

これは十進BASICのホームページから無料でダウンロードできます。

文法は十進BASICヘルプ Windows版で解説されています。

要件

文字種は、大文字、小文字、数字の組み合わせで、数字は必須とします。以下の組み合わせから選択できます。

大文字＋数字
小文字＋数字
大文字＋小文字＋数字
数字のみ

パスワードの長さは4～16文字を入力指定できます。

必ず数字が含まれるようにします。

プログラム・ソース

以下のソースをそのまま十進BASICにコピペすると使えます。

! *************************************************
! **   汎用パスワード発行
! ** 　　　　　　　　　　　　　　　十進BASIC版
! **                       2021.06.06 佐々木一郎
! *************************************************

!===========================================================
! 初期設定
!===========================================================
DEF year = INT(VAL(DATE$)/10000)
DEF month = MOD(INT(VAL(date$)/100),100)
DEF day = MOD(VAL(date$),100)
LET oomoji$="ABCDEFGHJKLMNPQRSTUVWXYZ" ! 大文字
LET komoji$="abcdefghijkmnpqrstuvwxyz" ! 小文字
LET suuji$ ="23456789" ! 数字
DIM mode$(4)

! 与えられた文字列と文字数でパスワードを発生させる関数の宣言
DECLARE EXTERNAL FUNCTION password$
! 疑似乱数の系列の出発点を予測できないものにする。
RANDOMIZE
SET ECHO "OFF"

!===========================================================
! メイン・ルーチン
!===========================================================
! タイトル表示
PRINT "================================================="
PRINT "　　　　　　　　汎用パスワード発行"
PRINT "　　　　　　　　";year;"年";month;"月";day;"日　　";TIME$
PRINT "================================================="
PRINT

! 文字種を選択する。数字は必須とする。
LET mode$(1) = "大文字＋数字"
LET mode$(2) = "小文字＋数字"
LET mode$(3) = "大文字＋小文字＋数字"
LET mode$(4) = "数字のみ"
PRINT "文字種を以下の四種類から選択してください。"
FOR i=1 TO 4
   PRINT i;mode$(i)
NEXT i
DO 
   INPUT PROMPT "選択した番号1,2,3,4を入力して下さい。":j
LOOP UNTIL (j>=1 AND j<=4)

! パスワード長を入力する。8文字から12文字の範囲とする。
DO
   INPUT PROMPT "パスワードの長さを指定して下さい。(4～16)":nagasa
LOOP UNTIL (nagasa >= 4 AND nagasa <= 16)

! 指定された条件を表示する
PRINT
PRINT "[指定条件]"
PRINT "パスワード長＝";nagasa
PRINT "文字種＝";mode$(j)

! 外部関数に引き渡す文字列をセットする
IF j = 1 THEN
   LET moji$ = oomoji$ & suuji$
END IF
IF j = 2 THEN
   LET moji$ = komoji$ & suuji$
END IF
IF j = 3 THEN
   LET moji$ = oomoji$ & komoji$ & suuji$
END IF
IF j = 4 THEN
   LET moji$ = suuji$
END IF

! 納得いくまで繰り返す
DO
   LET pwd$ = password$( moji$ , nagasa )
   PRINT
   PRINT "パスワード　＝　"; pwd$  
   INPUT PROMPT "これでいいですか？（ y / n ）": yn$
   IF yn$ = "y" THEN EXIT DO
LOOP

!===========================================================
! 終了
!===========================================================
END

!===========================================================
! 与えられた文字列と文字数でパスワードを発生させる関数を定義
!===========================================================
EXTERNAL FUNCTION password$( moji$ , nagasa )
LET moji_nagasa = LEN( moji$ ) !与えられた文字列の長さ
LET a$ ="23456789" ! 数字を外部関数内で定義

DO ! 数字が入っていない場合は繰り返す

   LET kekka$ = "" ! 結果の文字列をクリアしておく
   FOR i=1 TO nagasa !指定された文字数まで繰り返す
   ! 文字列の中のichi番目の文字を一個選択する
      LET ichi = 1 + INT ( moji_nagasa * RND )
      LET s$ = MID$( moji$ , ichi , 1 )
      ! それを結果の文字列に加える
      LET kekka$ = kekka$ & s$
   NEXT i
    
   ! 数字が入っているかどうかを検査する。
   LET s=0 ! 数字が入っている位置の合計、ゼロなら無い
   FOR k =1 TO 8
      LET b$ = MID$( a$ , k , 1 ) ! 探す数字を決める
      LET s = s + POS(kekka$,b$) ! その数字の位置を加算
   NEXT k
    
LOOP UNTIL ( s > 0 )

LET password$ = kekka$
END FUNCTION

解説

ほとんどソースの中に注釈を入れてありますが、足りない部分をあげておきます。

omoji$(大文字)：Oはゼロと紛らわしく、Iは１と紛らわしいので使いません。
komoji$(小文字)：lは数字の1と紛らわしいので使いません。
suuji$(数字)：0はオーと、1はl,Iと紛らわしいので使いません。
DECLARE EXTERNAL FUNCTION password$：前回、外部関数として作ったので、今回はそれを引き継いで行きます。
SET ECHO "OFF"：入力画面の文字を出力画面に表示しないようにします。
DO LOOP UNTIL (j>=1 AND j<=4)：入力値が1から4になるまで繰り返します。
LET mode$(1) = "大文字＋数字"：文字種の文字列は繰り返して表示するので、配列に入れておきます。
EXTERNAL FUNCTION password$( moji$ , nagasa )：外部関数の引数は文字列と文字数の二つで、結果としてパスワードを返します。
MID$(moji$,ichi,1)：moji$のichi番目の文字から1文字を返す関数です。
POS(kekka$,b$) ：kekka$の中でb$がある位置を返す関数です。無ければゼロになります。すなわち、数字を全部チェックしても、その位置の合計がゼロならば、数字がまったく含まれていないということになります。

実行画面

実行すると、このように結果が表示され、入力プロンプトウィンドウでnを入力すると、何度でも繰り返してパスワードを発行させることができます。

逆スクロールすれば以前の表示をさかのぼって見ることもできます。

2021年6月6日　記

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