二輪車歴

僕の長年にわたるモーターサイクル歴です。

モーターサイクルへの興味なんて免許を取るまではあまりありませんでした。ところが、高校2年生の時にふとしたきっかけで弟の付き添いで受験したら合格してしまったのです。すべて弟からの影響なんです。

HONDA CB250

免許を取る前に弟が父に買ってもらったバイクです。弟は中学の頃からバイク好きで、高校に通う僕にバイク雑誌を買ってくるように毎月頼んでいました。(田舎の町では本屋さんがなかったのです)

実はこのバイクでは公道は走った事がありません。免許証が届くまで屋敷の中でグルグルと練習の為に走り回ってただけです。

SUZUKI GT250

免許を取って初めて乗ったのがこのバイクです。これも弟が父に買ってもらったものです。2サイクル2汽筒の31.5馬力は当時の250ccとしては最高でした。友達と2人乗りで平泉の中尊寺などに出かけました。受験勉強という事もあり、あまりたくさんは乗っていません。このころはまだバイクの楽しさなどわかりませんでした。

HONDA CB450K1

大学に入ってからは、ますます読書と実験に明け暮れ外の世界を見る事から遠ざかっていました。なにしろ大学の門まで数歩という道路をはさんだところに住んでいたのですから。

3年生の夏に友人の車で東北一周旅行をしました。車の窓からでも自然の雄大さが伝わって来ます。でも、雨の中でも風の中でもモーターサイクルに乗って黙々と走っているライダーの姿が印象的でした。彼らはもっと自然を感じているんだなと。

冬になってから、かなり無理をして上野の中古バイク店で買いました。実はこの時現金はまったくなかったのです。受け取りの日までに10万円をそろえなければなりませんでした。このころの学生のはやりというのはオーディオでした。自作のオーディオ装置を友人の父親にむりやり売って金を工面しました。

このバイクにテントと寝袋を積んでツーリングに出かけました。初めての体験です。まだまだ山間部は舗装されていなくて雨の後は泥沼状態だったり、トンネルの中には照明も無く真っ暗で恐怖にかられたり、冒険の日々でした。何よりもすべて自分の判断で行動しなければならないこと、どこをどう走ってどこにテントを張るか、その不安感・孤独感がそれまで味わった事の無い快感を与えてくれたものでした。

このバイクは中古ということもあり、とても故障が多くてしょっちゅう分解して修理していました。これがメカニズムに強くなったきっかけです。貧乏学生でしたからなんでも自分でやりました。このころのバイクはそれができたのです。最近のバイクは電子式になっていて調整する部分など残っていません。

家庭教師のアルバイトにもこのバイクで通っていました。

その日は夜に明日に控えたコンサートの最終音あわせがあるので、家庭教師も早い時間帯に済ませる予定になっていました。一日中こもっていた研究室から出て、バイクで出かけようとしたらエンジンがかかりません。何度もキックしたら点火プラグがかぶってしまったようで、交換してようやく出かけました。

途中の道で車が左から飛び出して右折して来ました。しかも運転手はこちらを見ていません。

「そんな・・・こっちはまっすぐに走ってるのに気が付かないなんて・・・」

不条理ということはこのことです。前を見ないで走っている車に左足を折られてしまいました。

この後入院し、ベッドの中で新年を迎え、退院して卒業・・・といろいろあるわけですが、バイクはなんともなくてこのバイクで夏に帰去来したのでした。

YAMAHA GX250

田舎に戻ってアルバイトを始めて乗用車の免許を取りました。った。ついでに通勤用にニッサン・バイオレットの中古車を買いました。それまで冬でもCB450で通勤していたのです。

翌年の夏に正社員に昇格しました。その時にCB450を下取りにして買ったのがこのバイクです。

やはり新車は乗りやすく出力はあまり無いものの十分に満足でした。前輪後輪ともディスク・ブレーキというのは当時ほとんどありませんでした。

これで第一回東北ツーリングをしました。

KAWASAKI KM90 オフロード

これは友人から譲ってもらったものです。ほとんど弟が釣りに乗って行き、いつも泥だらけになっていました。丈夫でどんなに酷使しても走りました。

YAMAHA TX650

あこがれのバーチカル・ツインを手に入れました。振動が激しくて停止するとハンドルがブルブル震えました。ブレーキの利きが甘いのが欠点です。キックはとても重く、精神統一して踏み降ろさなくてはなりません。仕事が忙しくてあまり乗れませんでした。

HONDA TL125S イーハトーブ

気軽に乗れてバランスの練習には最適でした。これで土手や牧場でトライアルの練習をしました。遠くまで走る事だけがバイクの楽しさだとばかり思っていたのですが、このバイクによって別の楽しさを学びました。アイドリングをゼロにしての超スロー走行はとても良い練習になります。

SUZUKI DR250S

仙台に転勤になり、落ち着いたところで、オフロード・バイクを買いました。イーハトーブを下取りにしてかなり安く買えました。このバイクでたくさんツーリングをしました。信州ツーリング、第二回東北ツーリング、北海道ツーリングが代表的なところです。テントと寝袋と火器さえあればどこでも大丈夫です。燃費が良くてリッター40kmぐらい走りました。雨にあたるとエンジンが止まってしまうというくせがあり苦労しました。

HONDA LEAD80

横浜に移って、とりあえずひと夏のツーリングのみの為に上野の中古バイク店で買って乗って帰りました。ほんとうに1週間の信州ツーリングに使っただけという超高単価なバイクでした。トルクが無いので安房峠は歩いて押しました。下り坂は早いです。

SUZUKI イントルーダー1400

春先になるとバイク熱がウズウズしてきまして、軽い気持ちで試乗したのが大間違い、ひとめぼれで買ってしまいました。中古で90万円ぐらいでした。

タンクに穴があいているのではと疑うほど燃費が悪いバイクでした。おまけに暑さに弱く油圧クラッチは効かなくなってしまいます。後輪のディスク・ブレーキが鳴いてとても快適とはいいがたいバイクでした。全体的に設計が悪く、未完成のまま市販したような印象です。

エンジンはVツインです。前は空冷でCVキャブ、後は液冷でSUキャブというわけのわからない構成で、おまけにその液冷というのはエンジンおよびミッションのオイルをそのまま使うのです。オイル容量が5リットルぐらいでした。これじゃ冷える訳ありません。夏は地獄でした。

Herley−Davidson Softail Custom

やっとのことで長年の夢であったハーレーにたどりつきました。イントルーダーで練習していたので、一度もプラグをかぶらせる事はありませんでした。乗りやすさはこれまでのモーターサークルの中で一番です。もっともっと乗りにくいむずかしいものだとばかり思っていました。

とにかくトルクが太いのです。その出方がまったく違います。エンジンの構造が星型エンジンから2汽筒を切り取ったようになっているので不等間隔に点火されます。これによって独特のトルクの発生をみるわけです。

安全対策も一番です。まず、ウインカースウイッチが左右に振り分けてあります。これがオートマチックに解除されるのです。走行距離とスピードによってちょうど良い頃合いに点滅が解除されます。まるで誰かが見ているようです。とてもよくできたソフトウエアです。そうなんです、見かけは古いのですが、先進のコンピュータが入っているのです。

次にサイド・スタンドのストッパーがあります。傾けると自重でサイド・スタンドがロックします。坂道に停めても安心です。

燃料はハイオクタン・ガソリンですがリッター20kmはしります。ツーリングでは30km走りました。ほとんど回転しないで走ってしまいます。タンクが左右別々なのでガソリン・スタンドでは注意が必要です。

残念なことに盗難に遭ってしまいました。

YAMAHA Majesty

ハーレーを盗まれたショックから立ち直り(電車で通勤すると毎日飲んでばかりなので)通勤用にスクーターを買いました。いわゆるモーターサイクルとは別のジャンルで気楽に乗れます。サスペンションが固くしっかりしていて、スピードに乗ると快適です。逆にいえばゆっくり走るとふらふらしてだめです。収納スペースがあるので通勤には便利です。ハーレーの時はカッパさえ持ってなくて雨でもずぶ濡れのままでした。

このマジェスティもまた、一度盗まれましたが、すぐに見つかりました。

パンク事件などもあり、愛着のあるバイクとなりました。

HONDA Shadow A.C.E

これが新バイクのUSホンダのシャドウ アメリカン・クラシック・エディッションです。中古で買いました。排気量は1100ccです。

スクーター、マジェスティ250も34、000kmを越したころからかなり調子が悪くなりました。その間に後輪タイヤは2回も交換したし、オイル交換も10回ぐらいおこないました。すでにシートを空ける機構は壊れてしまい、ロックが効かない状態です。シート下がトランクになっているにもかかわらず、まったく用をなさないのです。さらに、ガソリン泥棒にガソリンタンクキャップの鍵穴をメチャメチャに壊されてしまい、布で工夫してなんとかガソリンがこぼれないようにして走っていました。

これに追い討ちをかけたのが水温の異常上昇であす。どういうわけだかちょっと走ると水温系が振り切れるのです。寒い朝にスピードを出して走っていると少しは下がるが、横浜の通勤ラッシュにはいっこうに効果も無く、すぐにまた振り切れて冷却ファンが勢いよく回りだすという現象。そのため、バッテリーは充電よりも消費の方がうわまわり、すぐに上がってしまい、今度は悲惨な事にエンジンがかからなくなってしまうのです。

まあ、こんな状態だからもう乗る気もうせ、しばらくの間バイク無し生活を送っていたのですが、どうも僕の人生はバイク無しではなりたたないようであります。

冬になり、もう寒くていよいよバイクに乗る気もなくなったころ、春になったら新車を買おうとインターネットでカタログ集めを始めました。ハーレーダヴィッドソンの販売店に行って実際にまたいでみたりもしました。

20世紀最後の年も押し迫ったある日曜の夕方のこと、なんだかふらふらと、カワサキのカタログも欲しいし、実物も見たいななどと思いながら出掛けたのでした。何台かまたがってみてカワサキの800もいいかなと思い始めた時の事、中古バイクが数十台ごちゃごちゃとならんでいるずっと先の片すみでじっと僕をみつめているやつがいた。それがこいつです。あんな遠くの片隅にあったのが、どうして目に止まったのかまったく不思議ですが、やはりこいつの方から何らかのコンタクトをしてきたに違いないのです。

そして、21世紀最初の年、これに乗り始めました。

HONDA Silver Wing 600

マイル表示のバイクはイントルーダー1400とシャドウ1100の二台乗った訳ですが、結論としては、やはり日本仕様が良いということです。

まず目に付くのはスピード・メーターと距離計のマイル表示によるわかりにくさということですが、これはなんとか慣れれば平気になるものです。と言っても、常に頭の中で1.6倍しているわけではなく、あらかじめ何マイルだったら何キロなのかを覚えておくだけです。ガソリン補給にしても、100マイル毎に入れることにすれば160km毎に補給していることになって、ガス欠にならずに済みます。

ところが、日本とアメリカ西海岸の気候の違いによるトラブルはどうしようもありません。イントルーダー1400の場合はオーバー・ヒートと油圧クラッチのオイル内の気泡発生によるクラッチが切れなくなる現象に悩まされました。シャドウ1100ACEの場合は晴れている間は快適だったエンジンが梅雨時になって調子がくずれてしまったことです。

まあ、そんなこんなでシャドウ1100ACEにしばらく乗らないで放置してたらバッテリー上がりだけでなく、キャブレターもいかれてしまいました。車検を通すのにかなりかかるようなので、この際思い切って買い換えようと思い立ち、インターネットで探したところ、ホンダからでかいスクーターが出ているではありませんか。スズキからも650ccのスクーターが出てますが、スズキの電装にはかなり泣かされた思い出があり、ここはホンダだなということで、シルバーウィング600を電話で注文してしまいました。なんと、この時、まだ現物を見たことがなかったのでありました。

そして2003年1月18日(土)に納車となり、またがってみて、案外大きいなと感じたのでした。