Windows8批判

毎日パソコンを使っていますが、OSはまだWindowsXPとWindowsVistaです。通常の使用ではまったく困らないのですが、ひとつ欲しいソフトがありまして、それが今使っているOSでは動かないのです。

それは、Microsoft Research社から出ているClipletsというものです。

http://http://research.microsoft.com/en-us/um/redmond/projects/clipletsdesktop/

フリーウエアですが、Windows7以上でしか動作しません。

これだけの為にOSをバージョンアップするというのももったいない気がしますので、どうせならパソコン自体も新しくしたいものです。となると最低限度マザーボード・CPU・メモリが必要となります。う〜んと悩んでいるうちに円安が進んで価格が上がってしまいそうです。


2013年4月のデスクトップOSシェアはこんな感じです。情報ソースはこちらです。

やはりWindowsが圧倒的ですが、Linuxが1.2%しか無いのは意外な感じです。無料ですし、メールとWebサーフィンぐらいしかPCを使わない人には充分だと思います。かくいう自分自身も、WindowsVista上でVirtualにUbuntuを動かしているだけですけどね。

こちらは、各バージョンのシエアです。Windows8がもう少しでVistaを抜こうとしています。

WindowsXPのサポートが後一年ほどで切れるとのことですが、使えなくなるわけではないので、まだまだ残りそうです。

それにしてもWindowsVistaの4.8%って・・・。


パソコン(パーソナル・コンピューター)が出た当初は、インテリジェント・ミラーなどと云われました。持つ人の知性を映す鏡だというわけです。つまり知性のない人が持っても何も役に立たないというものでした。なにしろそのころのパソコンはプログラムを自分で作らないと何も出来ないものだったからです。つまり使う前に作らないといけないものでした。個人で作ったプログラムが雑誌に掲載され、それを見て夜な夜なキーボードを叩き、実行してみては改造して楽しむというような使い方をしたものでした。また、仕事場に持ち込んで業務に使ってみては、それまで一日かかっていた計算が30分でできて自己満足に浸ったりもしました。

平成になったころには仕事で使うことも普通になり、Windows95の発売によって家庭へ普及も進みました。それまでのDOSと比べると確かにWindowsは使いやすいのです。それはその名の通り複数のWindowsを開いて別々のプログラムを同時に実行できるという事が一番の魅力となっていたからです。

ところが、Windows8で最初に立ち上がるスタート画面のメトロというユーザー・インターフェースでは、画面全体がひとつのWindowsになってしまい、複数のWindowsを同時に見ることができないのです。これではWindowsとは言えません。これではまったく使い物になりません。これは今はやりのタブレットPC用の仕様だからです。

今現在これを書いているときには少なくとも以下の7個のWindowを同時に開いていますし、必要に応じてFTPクライアント等他のソフトも使います。

  1. 秀丸エディタ:このページ(html)を書いているテキストエディタ
  2. エクスプローラー:ファイルの選択など
  3. Mozilla Firefox:制作したページの表示の確認・文法チェック、他のサイトの閲覧
  4. Adobe Photoshop:画像の編集
  5. GrepReplace:ディレクトリ内htmlファイルのナビゲーション部分一括変換
  6. Shuriken2008:メールクライアント(編集中もメールが来るので)
  7. Visio 2003:作図

さらに複雑なページの場合はもっと必要なプログラムが増えますから、どうしてもマルチ・ウインドウは必要なのです。

確かにこれまでと同じようなデスクトップに切り替えることはできますが、そこにはスタート・ボタンがありません。プログラムを選択したり、コントロールパネルやエクスプローラーを開くにも困難を伴います。

昨年、Windows7を連続で20台セットアップした後に、Windows8を一台セットアップしたのですが、とんでもなく時間がかかりました。Windows7だと一日に同時作業で4台から5台のセットアップが可能です。しかし、Windows8では一日で終わりませんでした。その上、業務用のプログラムが使えないという事が判明したのです。

こんなにひどいWindows8ですが、初めて使う人などにとってはそれほど問題がないようで、そこそこ売れているということのようです。キーボードやマウスを必要としない。指でなぞるだけ。もやは使うだけ。インテリジェント・ミラーという言葉なんかどこに行ったんでしょうか。

Windows8の改良版WindowsBlueが今年後半に発売されるそうで、スタート・ボタンの復活もあり得るらしいといううわさですね。

Windows8にはRTというバージョンがあり、こちらはデスクトップが無いメトロだけのものです。どうせならメトロ無しのデスクトップだけのバージョンを発売して欲しいものですが、いまさら後に引けないというところでしょうか。


ということで、僕としては新しく買うならWindows7にします。Windows7のDSP版はハードウエアと一緒にいけないのに、Windows8だとそれが必要無いというWindows8に有利な売り方をしているので、Windows7の方が1,000円ほど高いのですが、あればいいなという部品ならばそれぐらいは苦になりません。

Windows8で気に入らない事がもうひとつあります。それは、これまでプログラムと言っていたのに、急にアプリという言葉を使い出した事です。アプリという言葉はタブレットPCとかスマートフォンでよく使われているもので、プログラムという言葉の持つ堅苦しさを軽減させようとするあざとさが感じられます。

そもそも、アプリはアプリケーション・ソフトウエアの略であって、これまでは適用業務プログラムと訳されていました。20数年も前の事ですが、かつて高校で電子計算機概論の授業をしていたときには、以下のように教えていましたから。

まあ、このころのアプリケーションというのは、科学技術計算とか商用業務(売上集計・給与計算等)というようなものでしたけどね。

Microsoft社の言葉の変更といえば、DOSからWindowsに替えたときに、ディレクトリをフォルダーと言い出した事がありました。今では慣れてしまいましたけど、アプリという言葉もそのうち気にならなくなっていくのでしょうか。

2013年5月12日 記