気になるカタカナ語

アラ還である。ただし、これは今書いている時点での話なので、実際の年齢は自己紹介ページにリアルタイムで計算して表示してある。 あらかんと聞けば、嵐勘十郎を連想するだろうけれど、「アラ還」と文字で書いてあれば、なるほど、アラウンド還暦の事だなとなんとなくわかる。これは日本語のすごいところだと思う。ただし、これは直感というよりも経験則からであり、カタカナを見ると外来語であろうと判断するからである。他にアラサー(アラウンド・サーティ)、アラフォー(アラウンド・フォーティ)もよく聞くが、アラウンド・フィフティについての略語は聞いたことが無い。実際には使われているのだろうか?

このようにカタカナ語はたくさん使われている。このカタカナ、そもそもは漢文を読み下し文にする際のメモ書きとして漢字を略した文字を発明したところから来ているらしい。つまりカタカナは漢文と密接な関係があり、漢文を読み書きするのは男の仕事だったから、カタカナは男の文字であった。ひらがなが女の文字であったのと真逆であり、それぞれはまったく別々に使われていたのだ。ところが、鎌倉時代後期になると漢字とカタカナひらがなが混在して使われるようになる。


というような話は専門家にまかせるとして、近頃どうにも気になるカタカナ語がたくさんあって困っている。どうにも意味がわからないカタカナ語があふれているのだ。

長い間コンピュータ関連の仕事をしていたので、専門用語として英語をカタカナにした言葉はたくさん見てきたが、そういう意味でわからないというのではない。そんな専門用語ならば、原文の英語があるのだから調べればわかる。確かに日本語にする場合は原形をとどめないくらいに略してしまうことが多いので多少の困難を伴うこともあるけれど、これぐらいはこれまでの経験からわかる。

ラヂオ(後にラジオ)radio (この頃は日本語読みしただけ)
ビルヂング
(後にビルディング、さらにビル)
buiding
テレビtelevision set(短縮するようになった)
ショートshort cut
マイコンmy computer もしくは micro computer
パソコンpersonal computer
ファミコン任天堂の商品ファミリーコンピュータの略称。
これが発売された頃、同僚が「ファミリーコンピュータを買った」と言ったので大変な衝撃を受けた。新聞もテレビもなかったので子供用ゲーム専用機だとは知らず、家庭用コンピュータだとばかり想像していたから、数百万円はするだろうと考えたのだ。コンピュータが数億円、オフコンだと数千万円、パソコンが数十万円だから、妥当な価格となる。
ブログweb log (元々はWebサイトの更新記録であった)
ケータイ携帯電話(もはや外来語では無く、日本語さえも省略するようになった)
スマホsmart phone
アプリapplication program(system,software)
ガラケーガラパゴス携帯電話
(いつの間にか自分の携帯電話が世間からはこう言われている)
ハローワーク公共職業安定所(いわゆる和製英語)

ところが、近頃はどうにも意味がわからないカタカナ語がどんどん増えてきている。若者ならあたりまえに理解しているのだろうけど、アラ還の自分にとっては想像もつかないものばかりだ。

そんな意味不明で気になったカタカナ語を挙げて、自分なりの解釈をしてみる。

映画のタイトル

映画のタイトルに訳のわからないカタカナ語があると内容を全然類推できない。昔はタイトルだけで内容がわかるように考えてあったのに。わざと意味不明を狙っているのだろうか?しかしそれだと内容がわからないから観る気にもならないのだが。

映画タイトル内容
カイジ ファイナルファンタジーというファミコンのゲームソフトにKaidge Templeというのが出て来るが、ここからとった名前であろう。つまり、ゲームの攻略法解説番組である。
日本語だと開示・怪事・海自・甲斐路かもしれない。
開示ならば、情報開示にともなう権力闘争映画で、怪事ならば怪事件だからミステリー、海自ならば『海猿』みたいな海上自衛隊もの、甲斐路とくれば甲州街道をめぐるロードムービーというところだろう。
タイヨウのうた 日本語の太陽か大洋だと思ってしまった。タイ国と関係があるのかな?「のうた」って何だろう?日本語なのに意味不明だが、どこかの方言に違いない。内容はまったく検討がつかない。太陽の歌とか大洋の唄など意味不明のタイトルでも観る気がしない。
インシテミル 何語だろうか?テミルというからにはタミル語かもしれない。和製インド映画かな。ストーリー無視で歌って踊る底抜けに明るい映画だろう。
なにしろ、インド映画そのものが合掌造りの集落が世界遺産に登録されている富山県南砺市の五箇山でロケをしたくらいだから、何の違和感も無い。
サヨナライツカ 不覚にも「さようなら何時か」と読んでしまったが、これでは意味が通らないし号にならない。まさか、何時か別れたいけどぐずぐずと関係が続いて別れられないなどという昔風のメロドラマではないだろうな。別れるなら何時かなんて言ってないで、今でしょ。
イツカは北欧系の語感がある。固有名詞で人名なのかあるいは地名なのかもしれない。夢破れてフィヨルドの町イツカに別れを告げ日本に戻ってくる失意の物語に違いない。
ツナグ 英語表記だと、Tsunugだろうけど、英語では無い。邦画なのに意味不明の題名では想像もつかない。ということは宇宙?バルタン星人みたいな、ツナグ星とか?そうするとSF映画であろうね。

テレビ番組

普段ほとんど見ないテレビ番組欄をみてみると、あるわあるわ、意味不明なタイトルだらけである。中には日本語のようにも思えるものもあるけど、カタカナだから違うのだろう。どうにも意味不明で馬鹿げたタイトルだと観る気にもならない。なんとか内容を想像してみよう。

番組名内容
ムシブギョー 何だこれは?語感からすると英語では無いな。日本語をカタカナ表示にすると意味が無くなってしまう。カタカナは表音文字でしかないからだ。なぜそんな馬鹿なことをするのか。それはさておき、日本語だと無支部業となるが、支部を作らない本部だけの業態ということである。従って中小企業物語というところだろう。
あるいは、虫奉行かもしれない。中公新書に『元禄御畳奉行の日記』というのがあって、尾張藩の畳奉行の日常が詳しく書かれていてとても面白い。畳奉行があったくらいだから、虫奉行もいたのかもしれない。秋の虫の声というのは西洋人にとっては雑音でしかないそうだが、江戸時代は特に虫の音を愛でることが流行った。自分の母もやっているが、コオロギや鈴虫を毎年繁殖させるのはとても難しいので、専門の奉行がこれに当たっていたのだろう。そういった虫奉行の日常をドラマ化。なかなか興味深い時代劇である。
NHKでは他に『妻は、くノ一』という時代劇がある。本屋さんで見かけた文庫本が映像になって驚いたが、さらにその女忍者(瀧本美織)の美貌に惚れている。ぜひともご覧あれ。
すイエんサー なぜカタカナとひらがなが混在しているのだろう?「す」は若者言葉で「です」の省略形。サーは紳士に対する敬称だから、視聴者を表している。Yes,sirが原形なのだろう。Yesの部分がイエんという否定形になっているので、視聴者からの便りに反論する番組に違いない。視聴者に媚びない姿勢は評価に値するが、さらなる反感を招きかねない。あるいは、逆にそれをねらっている、今はやりの炎上マーケティング戦略かもしれない。NHKもなかなかしたたかである。
カスペ! ネット用語のアケカスのカスを使っているので、カスペは漢字に直すと粕ペとなる。しばらく前にペという俳優がいて、なぜか日本で放映されたTVドラマに熱中した熟年主婦層が朝鮮半島のロケ地巡りまでしたという。そのペの誹謗中傷番組か?それにしても毎週やるほどの事も無いだろうに。
ヒルナンデス! エルナンデスとかフェルナンデスのようなスペイン語の語感だけど、「昼なんです」と言ってるようにも聞こえる。放送時間帯が昼ではあるけれど、まさかそこまで人を馬鹿にしたタイトルにはしないだろう。スペイン感覚を狙った番組かな?しかし、スペイン感覚って何?
アゲるテレビ 揚げる?挙げる?なんだか語感がよくない。確かに芸能人のスキャンダルをあげつらう番組は多いが、そこまであからさまなタイトルを付けたりはしないだろう。
「アゲ」の部分はAgainの略で、「アゲる」は再び繰り返すいうことだから、毎回再放送の番組。確かにバラエティ番組はいつも内容が同じようなものばかりだから、それもあり得る。
ニンゲン観察バラエティ 「ニンゲン」はドイツ語の語感だけど、ドイツ語でもないみたいだ。インゲンと似ているから新種の豆であろう。その生長を観察するというバラエティ番組である。最終回のテロップに「ニンゲン豆はスタッフがおいしく頂きました。」と出るに違いない。
キイタハナシ ぱっと見たら「汚い話」と読んでしまった。日本語ならば、聞いたか訊いただろうけど、音節はどこで切るのだろう。
キーハンターとも間違えそうだ。丹波哲郎のキーハンターは子供の頃毎週観ていた。タイトルバックで10人ぐらいが横に並んで歩くんだけど、田舎にはそんな広い道がなかったので、東京って広いところなんだなと思っていた。
チューボーですよ! チューボーはネット用語で中坊とか厨坊と書くのと一緒で中学生のこと。しかも「です」までなら普通の中学生なんだけれども、「ですよ!」と感嘆符まで付けて、意味なく得意げに言ってるあたりからすると、間違いなく中二病だ。従って、中二病に類するB級事件を笑い飛ばすバラエティ番組だろう。
こんな事ばかり書いて、おまえこそ老二病だろうと言われないように気をつけなくては。
トリコ プエルトリコの略だろうから、旅番組に違いない。温泉旅行番組では浴衣姿や入浴シーンが期待できるが、プエルトリコだと温泉は期待できないから、水着シーンしか期待できず物足りない。
シューイチ 幼なじみに仙台牛を飼育している秀一君がいるけど関係は無いだろう。これは、Shoe itchyの略で、靴を履いて足がかゆいということは、水虫の話だ。
中学・高校・大学と下駄を履いていたので、水虫とは無縁だったが、革靴を履くようになってから水虫に悩んだ。しかし、今ではいつの間にか自然に治ったようだ。自然にというよりも、あれこれと水虫薬を試したので、それらが効いたのかもしれない。水虫対策としては、革靴を履かない事が一番だと思う。

このサイトのタイトルはAvocado Mixである。これを日本語で書く場合はアボカドミックスと書いている。本来ならば、アボカドよりもアヴォカドの方がより正確なのだけれども(さらに正確に書くならばアヴォカアドゥ)、今のところアボカドの方が普及しているのでそうしている。中にはアボカドではなく、アボガドと全部に濁点を付けて書いている人もかなり見受けられる。野菜売り場のPOPでもたまに見かけるし、道重さゆみに至ってはアボガドの方が自分にとっては正解なんですと自身のラジオ番組で言っている。(原稿にアボガドと書いたらマネージャーに消されて泣いた)

こう言った事は外来語をカタカナにしてしまい、それを読み間違ったり書き間違ったりする事から起きる。いわばカタカナ語の暴走である。


今ではどうか知らないが、voをヴォと書くことは学校では教えられなかった。小学生の頃、プラモデルの組立説明書を読んでいたら、ヴという文字が出てきた。米海軍の戦闘機コルセアの製造会社がチャンスヴォート社であるという下りだった。ヴという文字は学校で習っていなかったので、父に訊いて初めて知った。父は12歳の時に事故で父を亡くした。当時は尋常高等小学校を卒業すると、高等科に行くのだが、父は手間取り(奉公)に出たので、同級生とは別れ別れになった。同級生たちが高等科を卒業して青年学校に入ったとき、英語の教師として教壇に立ったのが父だったので皆驚いたと、父の同級生が弔辞で語っていた。


後書き

これまでの、ですます調とは打って変わった文体で失礼いたしました。内容に合わせて文体を一時的に変えただけです。これまでも、何の役に立たない物を作ったり書いたりしていましたが、今回はさらに砕けたものでありまして、おおいに笑って頂ければうれしく思います。

なお、今回は関連した画像が無く、文字ばかりでは殺風景なページとなるので、ランダムに飛行機の画像を表示しています。

2013年5月18日 記