二輪講座
その秘密は?これを読めばうんちくが語れるかもよ!
モーターサイクルは危険?
モーターサイクルが嫌いだという人のモーターサイクルに対するイメージの中で最も大きなものは、「危ないから」というものだと思います。実際に、よくそういう答えが返ってきます。ではどうして、そう思うのでしょう?
ここでは一般的な二輪車について僕が考えている事を書きます。
1.転ぶから
モーターサイクルは車輪が二つしかないので、走っていないと倒れます。だから足を地面に着けて倒れないように支えなければなりません。大抵の場合は右足で後ブレーキを踏んでいますので、左足を地面に着けます。でも、これが危険だとは思えません。確かに路面の状態をよく注意して着地点を選ばないと、砂ですべったり、オイルや水ですべるということはたまにありますが、それで転んだ事は有りません。
今のように舗装道路が普及する前は、ほとんどの道は未舗装で、コーナーでよく滑りました。高校生のころは、なんど転んだかわからないくらいです。でも、この路面は危険だなとはじめから解っているので無理なスピードは出さないし、転んでも怪我はしませんでした。
現在の路面はたいへんよく整備されてますし、タイヤの性能も格段に向上しています。サスペンションも向上して、路面の変化にタイヤを確実に吸い付くように安定させてくれています。ですから、通常の路面を通常の走りかたをしている場合はまず、転ぶということはありません。四輪車でも、無理な速度でコーナーを曲がろうとして転んでいる事がよくあります。かえって、走っていて転ぶ危険性は、自分の車と腕に過信した四輪車の方があるかもしれませんよ。
参考のために、転ぶ危険度の高い場合を挙げておきます。
- 雪道:昔は何度も転びました。
- 雨の日の舗装道路の白線上:ここでブレーキをかけてはいけません。
- 砂が浮いているコーナー:工事現場の近くによくあります。
2.体がむき出しだから。寒いから。暑いから。
普通の二輪車の場合、体を覆うものはありません。だから胎内回帰願望の強い人には向きません。まず、これを押さえておいて、むき出しの危険性?について書きます。寒い冬も通勤で二輪車に乗ってますが、朝一番の挨拶はたいてい、「寒くないの?」です。電車で通勤してる人たちは、コートを着て体を丸めてほんとに寒そうです。同じ大気温の中、80km/h〜100km/hで走ると体感温度は10度ほど低くなります。ですから、両手両足の先端は血液の循環が悪いこともあって、凍りそうな感じがあります。
ところが、他の部分はそんなに寒くはないのです。それは、
- ちゃんとした、冬装備で下着類から、上着まで対策を講じている。
- 真のライダーは我慢強い。
からなのです。
冬の二輪通勤の最大のメリットは、電車の中で、もらい風邪をひかないということです。あの満員電車の中は風邪の黴菌の温床ですからね。
さて、こんどは夏の場合です。夏は電車通勤や四輪車の方が涼しいに決まってます。二輪車の場合は、路面からの照り返し、両脇の四輪車の出すエアコンの熱風で、体感温度は10度ぐらい上がっているでしょう。いくら、真のライダーとはいっても、我慢の限界を超えた場合は、電車通勤に切り替えます。こういう臨機応変の対応が取れるのも真のライダーたるゆえんであります。
体がむき出しだから、危険だということは、確かに事実です。僕は大学卒業間際に、左横から飛び出してきたライトバンのバンパーに左足を折られてしまった経験があります。体が放り出されても、バイクはそのまままっすぐに走っていって、そのうち倒れました。映画の『イージー・ライダー』や『グライド・イン・ブルー』でも、銃で撃たれたラスト・シーンで同じ場面がありましたが、あれは本当です。僕は実体験しました。
体がむき出しだから、空中を飛んでくるものがそのまま、体に当たります。
- 虫:夏は多いです。暑いからといって薄着は危険です。
- 砂、小石:強風で飛んでくる場合があります。目を守る装備が必要です。
- 雨:顔に当たると一面に針で刺されたように強い刺激があります。
- 弾丸:そこまでは防ぎようがありません。
1997年12月23日記