ネットブックスタンド

netbookstand

以前作ったネットブック用のUSBスピーカーシステム波動スピーカーを作る為に解体してしまいました。その後、ネットブックもOSをWindowsXPからLinuxのLubuntu 14.04にした事によりUSBスピーカーは使えないという状態になり、あまり使っていませんでした。これはとてももったいないことです。(現時点ではubuntuでUSB-DACを認識できないのです。)

そこで今回はネットブックスタンドにアナログアンプとスピーカーを組み合わせた物を作る事にしました。これでBGMを流すことにします。

問題はネットブックスタンドの形状です。単純な直方体だと製作は簡単なのですが、使い勝手は良くありません。やはり手前に傾いていた方がいいようです。スピーカーを内蔵するとなるとそれなりの容量も必要ですから、平べったいものではだめです。そこでSketchUpで設計をしてみて、なんと6回も書き直してやっと完成したのがこれです。

左の画像をクリックするとダウンロードできます。SketchUp Viewerで任意の向きに回転させたり拡大縮小したりして観ることができます。

パーツはそれほど多くはありませんが、斜めに切るなど形状が複雑なので木取り図もSketchUpで書きました。

netbookStand

製作

アンプは買い置きのこの秋月電子通商のアナログアンプを使いました。

自作のPCB治具を使って組み立てます。

裏側はこんな風にはんだ付けしています。

電源はDC12VをACアダプターから供給します。ネットブックだと12Vを取り出すことができないからです。音量調整に10kオームの二連可変抵抗器を使います。もちろんAカーブです。スピーカーはインピーダンス8Ωで口径の小さな物を使います。

パイロットランプとしてLEDを使いますが、これは2.8Vで20mA流れる規格のものです。電源の12Vを降圧させる為の抵抗値を計算してみます。

12Vから2.8Vまで降圧させるには抵抗に12V-2.8V=9.2Vの電圧を発生させなければなりません。流れる電流は20mAですから、オームの法則(抵抗=電圧/電流)からR=9.2/0.02=460となります。

実際には460Ωの抵抗器はありませんから、470Ωを使いますが、なんと手持ちがありません。そこで220Ωを2個直列に繋いで440Ωにして使う事にしました。

という訳で電子パーツが揃いました。

板材は内部損失を考慮してMDF板を使います。手持ちのMDF板からどのように切り出すかを考えて書いた物が先に挙げた木取り図です。

フロントパネルにはトグルスイッチや可変抵抗器を取り付けますが、板の厚みがあるとナットで固定することができません。そこで、その部分だけ薄い板を使っています。

このようにフロントパネルの上部の角には丸みを付けました。実はこれ、SketchUpでは斜めに切ったものをさらに丸く切るという事ができないので、図面上には描けない部分なのです。それでも無料だからしょうがありませんね。

裏板もどうようにDCジャックを取り付ける部分だけ薄い板を使います。

おっと、フロントパネルにバスレフダクトを開けるのを忘れていました。組み立ててからでは遅いので慌てて孔を開けました。

電子パーツの取付をします。

配線作業を開始します。

フロントパネルとアンプそしてリアパネルのDCジャックを繋ぎます。

アンプは底板に2mmのスペーサーを自作してネジ止めしました。

フロントパネルも接着してしまいます。

スピーカーバッフルは黒く塗りました。フェルトペンいわゆるマジックインキです。

実はスピーカーを固定する孔が5mmもあるのです。どうしてもワッシャーが8枚必要ですが、手持ちが2枚しかありませんでした。わざわざ買いに行くのも大変ですが、ちょうど医者に行く用事があったので帰りにホームセンターに寄って買って来ました。一枚6円なので20枚も買って来ました。

いよいよ筐体の組み立てに入ります。形状が形状だけにかなり苦心しましたが、なんとか補助治具を使ってやってみました。

アンプとスピーカーを繋ぎます。

バスレフダクトを取り付けます。と言ってもただの紙の筒です。

これで内部は完成です。

ネットブックから音源を取り出すためのステレオミニプラグを取り付けます。赤を右チャンネル、白を左チャンネル、そして黒はアースに決めています。実はこのケーブルはUSBケーブルです。オーディオ用の2芯シールド線があるといいのですが、これで間に合わせています。

ネットブックが当たる部分には青いフェルトを貼りました。

足は黒く塗りました。実はこの足ですが、設計の5段階目まではありませんでした。SketchUpでぐるぐると回して観てみたら、どうもネットブックを載せた時の重心位置が底板の前縁にかなり近くなってしまうようなのです。これではちょっとして刺激で前に転がってしまいます。そこで転倒防止の為の措置として足を取り付けたという次第なのです。

足の裏にはゴム足を貼りました。

裏板はメンテナンス性を考慮してネジ止め式にします。そのネジ用の木片を取り付けます。

裏板にDCジャックを取り付けて・・・、

ネジで固定すると作業終了です。

完成

こんな感じです。いかがでしょうか?

ネットブックPCを載せます。想定通りぴったりと収まりました。

YouTubeで村治佳織のギター演奏を聴いてみました。かなりの大音量でも大丈夫です。これでLinuxネットブックが生き返りました。

2015年4月19日 記