7.源義経
NHK大河ドラマ『義経』を観てます。これまで、NHK大河ドラマはそれほど続けて観るということはありませんでしたが、今回の『義経』に関しては、総合テレビで見損なった時はBS2で観るという風にして、一話も欠かさずに観てます。義経ゆかりの平泉中尊寺の近くで育った為に子供の頃から九郎判官源義経という名前には親しみがありました。父が好きだったせいも多分にあるとは思います。
高校時代弟から借りて乗ったSUZUKI GT250
中尊寺にも何度となく登ってます。平泉は岩手県ですが、江戸時代は仙台藩でしたから、言葉もそのまま通じます。日本語だからあたりまえだろうなんて、とんでもない、その先の水沢まで行くとまったく通じないのですから。高校時代にバイクで行き、言葉が通じないという場面に始めて遭遇したのはそこでした。前沢を過ぎて水沢に入りドライブインでトイレを借りようとしたときでした。こちらも標準語なんか話せないし、相手も南部なまりでしか話せなかったのです。はじめてのカルチャー・ショックというやつです。
中尊寺といえば、同じく高校時代にバイクで行き、帰り道の国道四号線で岩手県警に速度違反で捕まった経験も思い出します。
その『義経』ですが、やはり現代ドラマなんですね、いろんな面でおかしなところに出会います。まずは化粧です。平安時代の女性が現代女性の化粧をしてるんです。どこからそんな化粧品を持ってきたんでしょうね。しかもお歯黒をしてません。当時お歯黒をしてないというのは、貧乏だということです。平家の女性達は皆貧乏だったはずはありませんから、おかしなことです。男性でも貴族はお歯黒をしていた時代ですから。どう考えてもこれはおかしい。
出演する女優達がそれをいやがったのでしょうかもしれません。でも女優達に演出を合わせるなんて、これもおかしいことです。まさか、はじめからお歯黒なんて考えてなかったなんてことはないでしょうね。
まあ、それでもここまではゆるせます。他のTV番組や映画などでも、このごろはお歯黒をしてないのが普通になってきました。江戸時代になると生活が豊かになり、お歯黒は庶民にも普及して既婚女性には普通の習慣となってましたが、近頃の時代劇ではそんなこと無視してますからね。昔の映画ではちゃんとしてました。あの中村玉緒のお歯黒なんて、とても魅力的でした。
ところが、先日の放送ではそんなことなどどうでもよいくらいのおかしなことをやってました。義経が平家に嫁いだ妹に手紙を書くのですが、なんとそれは漢字とひらがなの混淆文なんです。まるで現代文です。平安時代にそんなのありませんよ。男は漢字だけ、あるいは漢字とカタカナの混淆文、女はひらがなだけで書いてたのですから。漢字とひらがなが混じった文章なんてありえません。それは鎌倉時代の終わり頃になってようやく出てくるんです。義経がそういう文章を書いたなんてこと、あまりにも突飛過ぎてナンセンスです。
もしかして、義経は現代からタイムスリップした少年だったというSFだったのかな?
2005年8月30日記