地デジPCの製作

テレビを観てると、やたら地デジ地デジとCMばかりでなく番組中にも出て来てうるさく感じてました。しかも画面右上にはわざわざ「アナログ」とでっかく表示されるので、アナログのどこが悪いんだと言いたくなります。確かに10数年前、長野オリンピックの時に買った29インチブラウン管テレビは発熱量も大きくて電気料金がかかっているみたいですから、やはり液晶モニターにした方が安く済みそうです。

ということで、地デジテレビ専用のパソコンを作る事にしました。専用というのは、パソコン・ルームではなくリビングに置くという意味です。実は以前アナログTVチューナを使ってリビングで使った事がありました。ところがこれはなかなかうまく行かず、どういうわけか、録画中に停止しました。なんとBIOS自体が壊れてしまったのです。このPCはマザーボード交換して今でもPHP開発用マシンとして使っていますが、もうアナログTVチューナを使う気にはなれません。

あのアナログTVチューナを買ってひと月ほど経ってからパソコン用地デジ・チューナーが解禁になりました。その時から、将来はこれを使って組もうと考えてはいたのです。

できるだけ安上がりに作ろうと計画したのですが、録画のことなども考えてCPUをスペックアップしたらマザーボードも高くなってしまいました。

USB-HDD用に使っていたケースを使うことにしたので、中身を取り出します。

取り出した中身は別のケースを自作してみました。

これですっきり、準備完了。と思ったら、あとから問題が発生したのでした。

今回は安価に仕上げるためにIntelではなくAMDのCPUを使います。

最初は安価にしようと思い、

CPU:AMD Athlon X2 Dual-Core 5050e SoketoAM2 \6,150

M/B:Foxcon A7GM-S \6,480

で計画したのですが、ちょっと不安を感じてスペックアップしました。

CPUをPhoenom IIにするとマザーボードも買えなくてはならず、最初はソケットAM3の物を探したらなかなかmixroATXのものが無く、ATXとなると高価でしかもケースも合いません。ところが、ここがAMDのいいところ、このGA-M85M-US2HではソケットAM3のCPUも使えるのです。それでも当初の計画よりも少し高くなってしまいました。

CPUを取り付けます。

AMDのソケットはひとつで複数の形式に対応しているので助かります。

これはAM2+となっていますが、AM3ソケットとしても使えるのです。

費用節約のためにVistaマシンからとりはずしたメモリです。

32ビットVistaマシンには6GBを実装して でRAM-Diskを構成し、そこに仮想メモリを設定していました。取り外しは、その逆のステップでおこなうことになるので、単純に抜くだけとはいきません。64ビットOSだったら楽なのにね。

これはDDR2 1GBが二枚で2年前は1万1千円もしました。今ではほぼ只同然ですね。メモリの価格はここ2年でぐっと下がりました。

CPUファンとメモリを取り付けます。

ケースのフロントパネル・コネクタを接続します。このケースにはBeep音用のスピーカーは付いていません。付いていてもうるさいから使いませんけどね。

ケースにはフロント・オーディオとUSBコネクタが2個付いてました。それは後で気付いたのですが、この段階で接続した方が楽です。ケースに入れてからだと、ちょっと面倒です。

マザーボードをケースに取り付けます。

さて、ここでちょっと問題が発生。このケースに取り付けていた電源ユニットはなにしろ10数年前のもので、まだSATA規格が無かった時代のものです。ですから、SATA用の電源コネクタが付いていないんです。

もちろんコネクタだけ買い足せばいいのですが、費用削減の為にはそれは無しです。

ストックの電源ユニットが二個あって、そのうち一個が使えました。これは前回Vistaマシンから、ファンの音がうるさいという事で取り外した物です。今回はとりあえずこれを使うことにしました。あとで静音ファンに交換することになるだろうなぁ。

ということで、電源ユニットを交換したのでした。500Wですから余裕です。

いろんな配線をしても、この段階ではまだすっきりしてます。

HDDの取り付け位置は後で取り付ける地デジ・チューナーと干渉しないように考慮してあります。まあ、そのうちHDDがどんどん増えていくでしょうけどね。

OSなどのインストール用に光学ドライブを暫定的に取り付けてみました。これは古いIDEなのでフラット・ケーブルです。なんだか原始的な感じがしますね。まだそんなに年月が経ってないのに。

HDDは1TBもあるのでフォーマットにはかなりの時間がかかります。きちんと計測はしてませんが、約3時間はかかったと思います。時間に余裕があるときに始めないと大変ですから、気をつけて下さい。

今回はその時間を使って、こんなことをしてました。

OSのインストール後、マザーボードのチップセット・ドライバをインストールして、さらにWindowsUpdateを行い正常に動作する事を確認しました。

そこでいよいよ地デジ・チューナーの取り付けです。

実は、この地デジ・チューナーは人気があるのか品切れの店が多くて秋葉原で数件探し回りやっと見つけました。通販でも売れ切れになっていたので、予定価格よりも高かったのですが、しょうがなく買ってきました。

まず、ドライバとユーティリティをインストール。一旦削除して、Webサイトから最新版をダウンロードして、またインストールという、ちょっと面倒な手順を経た後、ハードウエアの取り付けとなります。

B-CASカードを差し込みます。

バスはPCI-Express x 1 を使用します。

考えてみたら、地デジ番組を観るだけじゃなくてDVDも観ることもあるでしょう。ということで、DVD-RWドライブを5インチ・ベイにマウントしました。

これで完成です。

残念なことに、パソコン・ルームにはテレビアンテナの配線が来てませんので、ここでのチェックはできないのです。

普通の地デジテレビと同じようですが、録画・再生もこれひとつでできます。

受信部はUSB接続で、ドライバインストールも不要でそのまま使えます。

さすがに画質はきれいです。

地デジテレビは店頭でちらっと観た事がある程度だったので、実際に観ると、まだ全部がハイビジョンになっている訳では無いんですね。番組が4:3でCMだけが16:9だったり、その逆だったり。

地デジのメリットはというと、録画した時にわかります。アナログではどうしても画質が落ちるのですが、デジタル記録となるので、まったく画質はそのままです。録画した物だとは気付かないでしょう。

地デジのデメリットとしては、チャンネルの切換にひと呼吸置くという事がわかりました。また、これまで慣れ親しんだチャンネル番号と放送局の対応が違ってしまったので、慣れるのにしばらくかかりそうです。

なにしろテレビ東京が映らなくなったとばかり思ってましたからね。

千葉テレビが映らないのが残念。でも東京MX-TVがきれいになった。

使い慣れたGOM-PlayerをインストールしてDVD鑑賞のテストもしてみました。もちろんまったく問題ありません。

スピーカーは長いことほこりをかぶっていたものを使って迫力を出してます。この写真のモニターの後ろには古いテレビが隠れてます。余ってしまった。どうしようか。

パーツ構成表(ソフトウエアは除く)
パーツ メーカー 型式 購入価格
ケース   既存の物を使用 microATX 0
マザーボード GIGABYTE GA-M85M-US2H 8,570
CPU AMD Phenom II X2 550 Black Edition BOX 10,570
RAM   既存の物を使用 DDR2 2GB(1GBx2) 0
HDD HITACHI HDT721010SLA360 6,970
DVD-RWドライブ   既存の物を使用 IDE 0
地デジ・チューナー IO-DATA GV-MVP/VS (地デジ・BS・CS PCI Express x 1) 16,970
地デジ・リモコン IO-DATA GV-RCKIT3 2,970
液晶モニター Acer H243HAbmid 16:9 fullHD 4000:1 光沢有り 23,800
合計 69,850

2009年8月9日記

電源ユニット・ファンの交換

間に合わせで使った電源ユニットでしたから、やはりファンの騒音は我慢の限界を超えていました。そこで、静音ファンと交換することにしました。

電源用ファンなんて売っているわけはありませんが、外から見る限りケースファンとおなじように見えますから、まあなんとかなるだろうといいかげんな気持ちで8cmのケースファンを2個買ってきました。なんと1個490円。

フロントにはケース上部にUSBコネクタが2個付いてますが、距離をかせぐためにとキーボードとマウスをここに繋ぐと、他のデバイスを繋ぐ余裕がありません。そこで、ついでに4個口の3.5インチベイ用USBコネクタも取り付けてみました。これは1980円でした。

まず、ケースから電源ユニットを取り外します。

もともと、これは現在はメインのPCとなっているVistaマシンのケースにおまけで付いていた物で、おまけなりに安物であり、ファンの音がうるさくて買い換えたから余っていた物でした。

開けてみると。

ファンユニットそのものはケースファンと同じ物のようです。リード線が赤と黒の二本しかありません。赤がプラスで黒がマイナスでしょう。

ファンのリード線をたどってコネクタを抜いてみると、このようにソケットは二本だけ。ケースファンのコネクタは3本なので合いません。

そこで、ソケットそのものを抜いてしまいました。

基盤には+とーの記号がきちんと印刷されてましたから問題ありません。

そこに直接ケースファンのコネクタを刺します。ここで白は使っていません。

というわけで、いざとなったらはんだ付けでごまかそうと思っていたのが、簡単に解決してしまいました。

ファンを交換して完成。

と思ったら、排出側の向きが逆でした。取り付け直して完了。

ついでに3.5インチベイ用USBコネクタ4個口を取り付けます。

青いコネクタ2個が今回接続したものです。

これで6ポート全部使い切りました。

フトント・ビュー。

上部にあるものはリトラクタブルなのですが、どうにも使いにくいので、普段は閉じておくことにしました。

かくして騒音は消え、やっとリビングに置いて違和感が無くなりました。

リア・ビュー。

モニターとはHDMI接続ですから、配線がとってもすっきりしています。

現在の所、リビング・ルームまでLANが来ていませんので、LANケーブルがありません。

耳寄り情報:秋葉原に行ってみたら、ケースが1000円、電源ユニットは500円で売ってました。

と言ってもジャンク品です。店頭デモ用として作った物を解体し、ジャンク品として販売している様子です。

ケースは多少汚れや傷がありますが、そんなの気にならないという方にはお勧めです。

もちろんジャンク品ですから、コンデンサがパンクしてたら自分で交換するくらいは覚悟しないといけませんけど。

2009年8月22日記