工作室 11 バイク盗難防止装置

はじめに

バイク盗難に二回も遭っています。一回目はハーレーダヴィッドソン。警察によるとこれはプロの仕業とのことで、やはり出て来ませんでした。二度目は250ccのスクーター。これは一週間で見つかりました。今乗っている600ccのスクーターも油断は出来ません。

ときどき街に駐車しているバイクで赤い光が点滅しているのを見かけます。どうやら盗難防止装置のようです。おそらくバイクを動かすと大きな音が鳴るとか、無線で持ち主や警備会社に通報が飛ぶというものかもしれません。となるとかなりの費用がかかりそうで、とても手が出せません。

そこで、それらしきものを作る事にしました。

ヘルメットや鞄を収納するおおきなトランクがありますから、その後面に赤いLEDを点滅させます。コントロール・ボックスはトランクの中のじゃまにならない位置に両面テープで貼り付けます。延び縮みするロッド・アンテナもあるとより本格的に見えます。

製作

高校の頃に真空管でよく作った非安定マルチバイブレーター回路の片方にランプを付ければ点滅することはわかっていました。これをトランジスターで作るため図書館で借りた本を参考にして部品を集めました。外から見えるのは赤色LEDです。これは金属ブラケットに入った高級な物にしました。これだけで105円です。

まずは、ソルダレス・ブレッドボードでテストします。うん、なかなかのものです。

ちなみに、元々ブレッドボードというのは、パン生地をこねたり、パンを切ったりする板のことだそうで、パン文化圏の台所には当たり前にある物らしいです。この歳にして初めて知りました。

20円のユニバーサル基板に実装します。キットのようなプリント配線はありませんから、裏側の配線も自分でやらなくてはなりません。これが案外難しいんです。

出ているリード線は電池用とLED用です。

余分な部分は切り取ってしまいます。

最初にケースとして想定したものはこれです。100円ショップで買った食品保存用のものです。

しかし、トランクをバイクから外して持ってきてわかったのですが、これでは大きすぎました。

ほかに何か適当なものはないかなと探したら、地デジPC制作用に買ったCPUのケースがありました。これならいいかも知れません。

かなり小さいので電池は単三や単四ではなく、ボタン電池にすることにしました。3ボルトのものは手持ちがなくなり、1.5ボルトのものを2個直列にします。当然、ボタン電池ホルダーは買っていないので、ポケットLEDライトのようにガチャ玉で代用します。

スイッチは10年ほど前に失敗したラジオから取り出したものを使うことにしました。ところが、いざ使ってみると動きません。はずしてテスターでチェックしたら、なんとこのスイッチは壊れていました。6Pですから二回路ありますが、どちらもだめでした。これでかなり時間をロスしました。こんなことは初めてです。もしかしたら、ラジオの失敗ってこれが原因だったのかな?

仕方ありません。こうなったら最後の手段です。そう、あの玉子ラグ・スイッチです。これを強引に差し込んでやります。まあ、そのうちちゃんとしたものに換えます。

スイッチ用に空けた孔からLEDのリード線を出して一応の完成です。

でも、現物合わせをしてみたら、これでもちょっと大きいのです。しかも最初はもっと厚みのあるケースを想定していたので電解コンデンサーの頭がはみ出しています。

ふと、机の上を見ると、ガチャ玉の入ったケースがあります。

これなんかどうかなと現物合わせをしてみたら、ぴったりで、しかも電解コンデンサーも邪魔にならずにすっぽりとはまります。

というわけで、これが完成形です。トランク内部の荷物収納にじゃまにならない部分に両面テープを二重にして貼りつけました。その位置からちょうどいい箇所に直径6mmの孔を空けLEDを取り付け、リード線をはんだ付けして完成です。

トランクの後ろで赤いランプが時々ピカッと光ります。


実ははロッド・アンテナはまだです。ラジオ用のパーツとして買い置きがありますから、そのうち取り付け方法を考えてみます。

費用

赤色LEDハウジング付き 2.0V 20mA105円
トランジスター 2SA1015 2個72円
電解コンデンサー 100μF 16V 2個84円
抵抗器 100KΩ5円
抵抗器 10KΩ5円
抵抗器 2KΩ5円
抵抗器 51Ω5円
ユニバーサル基板20円
合計301円

2011年4月6日 記

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