工作室 38 モノラル・アンプ

缶スピーカーをもっといい音で

以前作った「空き缶スピーカー」が案外使えるので、今度はステレオにしようと「空き缶スピーカー2」を作ったのだけど、これは使ったスピーカーが箱に合わせた小さなものだったので音質に問題があって失敗作でした。そんな時に「空き缶スピーカー」の電池が切れてしまったのです。006P電池2個を買うのはもったいないので、やはり100V交流電源から使えるようにした方が経済的だなと感じます。

そんな時に、ガラクタ倉庫からこんな物を見つけました。これは10数年前に秋葉原で見つけてFETストレートラジオ用に使っていたものでした。

裏蓋にはAR-160と銘が打ってありますから16センチスピーカーを使っているようです。

ARというと、学生時代に流行ったAcoustic Research社のAR3aを思い出します。

裏蓋を開けてみるとこんな感じです。ハイファイ・スピーカーではありませんが、モノラル・アンプを作って携帯音楽プレーヤーの音を出してみることにしました。

製作

これまたたくさんあるストック・パーツ箱の中から色あせてカラー印刷部分が読めなくなるくらい古い380アンプ・キットを拾い出してきました。

キットの袋は傷んでいても中身はこのとおりぴかぴかの新品です。

組み立てて、入力用と出力用のリード線も付けてしまいます。電源用はDCジャックの方に付けておいて、後で基板にはんだ付けします。

ジャンク箱の中にはまだステレオミニプラグの付いたオーディオコードが入っていました。これを適当に切って使います。

電源にはいつも使っている12Vのスイッチングアダプターを使います。DCジャックにはリード線をはんだ付けしておきます。電源スイッチは使わないことにしました。音量調整用にAカーブの可変抵抗器を使います。今回はカラフルなツマミを使う事にしました。

電子パーツを並べてみました。

箱は木製にします。表と裏にはプラバンでパネルを作ります。

箱を組み立てます。

フロントパネルを組み立てます。内側はこんな感じです。

リアパネルを組み立てます。内側はこんな感じです。

前後のパネルを取り付けながら基板を固定します。このときにDCジャックからのリード線を基板にはんだ付けします。

後からみるとこんな感じです。箱はもっと小さくて良かったなとも思いますが、ある程度の大きさが無いと使いにくいものです。

天板を取り付けるための桟(青い矢印)を貼り付けます。

これで音はでますので、天板を取り付ける前に試運転をして基板上の半固定抵抗器(青い矢印)を調整しておきます。

天板には、白いプラバンでは見栄えが良くないので半透明のピンクのものを使いましたが、これも失敗でした。両サイドは木目シートの端材を貼っています。天板にもこれを貼ると良かったのですが、もう残っていません。ツマミの色と同じオレンジ色のシートが一番綺麗に見えると思います。

スピーカーと結線します。

これで完成です。録音したラジオ番組を聴くのが主な用途ですが、声の音質がとてもよく聞こえます。

横に置くと場所を取るので、アンプはスピーカーの上に配置すると使い勝手がいいようです。もう少し使い込んでから両面テープで固定しようかと考えています。

携帯音楽プレーヤーがだらんとぶら下がることになるのが残念です。それも含めてデザインしないといけないなと反省しています。


[参考] 宇宙船レッドシャークを回しているのはUSBターンテーブルで、前回作ったUSBモバイル電源から電力を供給しています。

2014年3月2日 記

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