工作室 202 二段スライド箱

上段が弧を描いてスライドし、下段が開く箱を作りました。このタイプの箱は実際に使ったことがありませんでしたが画像では見たことがありますので、そのイメージを思い出して作りました。

実験

製作に先立って、寸法を決めるために模型を作って実験してみました。

製作

厚さ10mmの檜材を使って箱枠を作ります。二個分ですから、いつもの二倍です。

底板をはめ込む切り込みを入れました。浅い箱なので軽い物を入れる想定で、下から接着剤ではめ込むタイプです。

底板は3mm合板を使います。のこぎりでざっと切り出して、カンナで正確に調整しました。

上段と下段をつなぐ材料として、数年前の夏に食べて保管していたスイカバーのスティックを取り出して穴空け加工をしたところ・・・、

このようにひび割れなどの残念な結果になってしまいました。ある程度は予想していたので、2mm、3mm、そして4mmの穴を空けたところで限界に達したのでした。やはり、薄い単板は難しいですね。

というわけで、3mm合板を使います。

うまくできました。

いきなりねじ止めというわけにはいきませんから、精密に位置決めをします。

この4mmの鍋ねじを使います。長さは10mmです。太いので錐で下穴を空けます。裏側に飛び出さないようにマスキングテープで歯止めをします。

仮組をしました。

このままでは、向こう側にペタンと落ちてしまいます。歯止めが必要です。

3mmの竹籤を使う想定でいたのですが、探しても見つかりません。残りわずかになってしまったので、どこかに紛れてしまったのでしょう。

そこで6mmの檜棒を使うことにしました。穴をあけて・・・、

眺めに切った檜の丸棒を埋め込みます。

余分な部分をのこぎりでカットしました。

このように、ちょうどいい加減のところで止まります。

一旦ばらして塗装をしました。箱の底はフェルトを貼るので塗装はしていません。

焦げ茶色のフェルトを貼りました。

布地を正確にカットするのは、OLFAのロータリー・カッターを使っています。さらに糊はむらにならないように木工ボンドを水で薄めて刷毛で塗ります。

再度組み立てます。

完成

これで完成です。

下段から取り出したのは30数年使ったA.G.S SPALDING BROS.製の筆入れです。上段にあるのは最近使い始めたSMART FITという今風の筆入れで、毎日持ち歩いています。

2019年3月22日 記

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