工作室 02 紙箱AMラジオ
これまでいくつか真空管やFETを使ったラジオを作ってきましたが、これらは外部アンテナを繋がないといけないので、簡単に移動ができるものではありませんでした。枕元でNHK第一放送の『ラジオ深夜便』などを聴きながら眠りたいなぁと思い、電池で動きアンテナ内蔵のラジオが欲しいと思い、こんなラジオを作ってみました。今、この記事もそのラジオを聴きながら書いています。
最初に、鉛筆でイメージ・スケッチをしてみました。筐体は木製で、バリコンはバーニア・ダイアルで回します。かなり贅沢な作りです。いつかはこんな本格的な物を作ってみようと思います。
まずは、手近なもので簡単に作ろうと思っていたところ、台所の棚で真っ赤なお菓子の紙箱を見つけました。大きさは縦10cm、横14cm、厚みが3cmほどで、手頃な大きさです。
これをこのように蓋を斜めにずらすと、なんとなくイメージ・スケッチに似ています。これで決まりです。
回路部分はエレキットのらじおくん(AMラジオ)[TK-728]を使いました。バリコン、スピーカー、音量ボリュームは基盤に取り付けません。電池ボックスの取り付け位置もオリジナルとは変えています。これに追加した部品は電源のトグルスイッチとパイロットランプとして発光ダイオードの二つだけです。
蓋の方に部品を取り付けます。発光ダイオードは瞬間接着剤で、その他はきちんとネジで止めています。
電池交換をするためには箱を開けなければなりません。その為のヒンジをどうするか、これまた台所で見つけた布のような紙のような素材を適当に切って使いました。この方式、中学の時にUコン飛行機の昇降舵に使ったテクニックです。
基盤はほんの少し箱の内法よりも大きいため、ちょっと斜めに収納します。カットしようかと思ったのですが、プリント配線が切れてしまうのでやめました。
組み立てるとこんな感じで、開け閉めは想像通りうまくできました。
配線して完成です。
ストレート方式なので、調整部分はまったくありません。
電池を入れて、電源オン!
パイロットランプが明るく輝き、ダイアルを回すとNHK第一放送が聞こえてきました。大成功です。
ストレート方式はスーパー・ヘテロダインよりも音質が素直で聞きやすいです。できればもう少しスピーカーが大きいと低音が延びるのですが、この箱では奥行きがないので、これが限度です。
外観としては、スピーカーが向きだしなのがちょっと気になりますね。そのうち、適当にサランネットがわりの布を探してみます。
2010年11月24日 記