工作室 211 箱の中の魔物

設計

昨年製作した試作品は、なんとも微妙な結果になりましたので、今回は時間を掛けてじっくりと設計してみました。イメージスケッチを何枚も描き、ようやく完成した設計図がこれです。この図面だけ見てもうまくいきそうな気がしてきますね。曲線部分もちゃんと雲形定規を使って描きましたから。

製作

まずは筐体の材料をカットします。

組み立て開始です。

回転軸と滑車軸の取付板も設計図どおりにカットして・・・、

接着します。

ヤスリがけをしておきます。

軸は3mmの竹棒を使います。滑車はボールペンのインクが空になったものをカットしました。愛用のボールペンはSARASA dry 0.5です。

これを取付けます。

回転体(内部の魔物の爪)を切り出しました。爪は細長いので芯として3mm合板を使用しています。

さらに爪に厚みを付けるために単板を使います。これは木目の向きを考慮して、このように分割しています。

これらを接着します。

この段階ではあまり見られたものではありませんね。

これを整形していくと、こんな風に鷲の爪の形になりました。

曲がりの根本の部分に補強材としてさらに3mm合板を追加してあります。

爪の部分を黒く塗装します。塗っては乾かし、磨いては塗ってと三度繰り返しました。

そのままでは光沢が無いので、クリア・ラッカーで艶を出しました。不気味な気配が感じられますね。

スライドする蓋の製作に取りかかります。3mm合板を2枚カットします。

これを接着して・・・、

ヤスリがけします。

取っ手は6mmの棒材から作ります。

埋め込みました。

いよいよ肝心の回転動作のしかけに取りかかります。

ロープとして、たこ糸を蓋の下にビス止めします。このビスはスライドに歯止めをかけるストッパーの役目も兼ねています。

回転体の40mm円盤のこの部分にもビスを取付けます。

ロープの長さを調整しました。これが一番むずかしいところです。何度も動作を確認して調整します。

ロープの長さが決まったら固定します。

筐体の塗装をしました。

最終組み立てをします。

回転軸と滑車軸を埋め込みます。

滑車を取付けました。

回転体と蓋を取付けて・・・、

側板を取付けると・・・、

組み立て完了です。

完成

とても時間がかかりましたが、やっと完成です。途中のパーツの作り直しなどでかなり苦心しました。

試作品と比べると飛び出してくる爪の怖さが倍増していると思うのですが、いかがでしょうか。

そもそもが、映画の中のワンシーンで観たものを、なんとか自分で作ってみようと思い立ったのが始まりです。たくさんの試行錯誤の結果がこれです。

2020年1月30日 記

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