工作室 22 自作モーター

HDDのネオジム磁石の再利用が目的

古いHDDを分解すると、どんどん溜まってくるのがこのネオジム磁石です。なにしろ磁力が強力過ぎるのでなかなか使い道がありません。みなさんはどうしていますか?

そこで、いたずら半分にモーターを作ってみることにしました。モーターを作るというと、ほぼ50年ほど前、小学校の工作の授業で組み立てキットで作ったことを思い出しました。

今回作る物はものすごく単純なもので、磁石は1個だけ、回転子はコイルそのものという原理的なものです。実用性はまったくありません。


ところで、今回のこれ、構想2年製作1日という時間がかかっています。どういう事かというと、思い立って材料は準備したものの、あれやこれやで袋に詰めたまま忘れていたというのが実態でした。

製作

まず適当なエナメル線を用意します。

これを適当な大きさに巻きコイルを作ります。実際何回巻いたかは数えていませんので不明です。内径で一辺40mmです。

このように両端をまっすぐに伸ばして、あたかも回転子のようにします。この両端の部分から電流を流すのですが、そのまま全部エナメルをはがしてはいけません。棒状になった線の半分だけ、つまり下側か上側の半分だけをはがします。180度回転したときに磁石に面している部分で電流が流れないようにする為です。

そうすれば、フレミングの左手の法則によって同じ向きにだけ力が働き回転が続くというわけです。

フレミングの左手の法則

磁石があると、その回りに磁界があります。その中で導線に電流を流すと、一定の向きに力を受けて導線が動きます。これを「フレミングの左手の法則」と言います。中学校で習いますね。導線1本では力が弱いので、ぐるぐる巻きにして本数を増やす(コイル)と、力が強くなって動きも大きくなります。

回転子を支える役目とコイルに電流を流す役目を負わせる支柱を作るために、ちょっと太い導線を準備します。

これで、これまた適当な大きさと適当なかたちで支柱を作ります。余分な部分はあとで切り取ります。

電源は単一電池1個とします。わざわざスイッチを取り付けるのは面倒なので、このようなスイッチ付きを使います。

案外こういう物は大人は使いませんね。小学生向けの工作材料コーナーに置いてありますから、孫の為だという顔をして買います。。

これらのパーツを固定する板を切り出します。大きさは縦90mm横120mmですが、これも適当です。

電池ボックスを板にビスで固定します。

モーターの各パーツを組み立てる前に、メンディングテープで仮止めして位置を決めます。

各パーツを固定して完成です。

と、ここまでは順調だったのですが、肝心の単一電池の買い置きがありませんでしたから、急遽買出しに外出です。

試運転

いつもそうですが、最初に電源を入れるときのわくわくどきどきは子供の頃とまったく変わりません。さらに今回は原理的にはあってるけど、ほんとに動くかなと言う不安があって、どきどき感の方がほとんどでした。まあ失敗には慣れてますけどね。

結果、ちゃんと回りました。ちょっと位置を調整してやると、さらに高速回転を始めたので楽しくなりました。

これでやっとHDDのネオジム磁石役に立てりというところですね。

自作モーター

動画で見るとゆっくりのように見えてしまいますが、実際はもっともっと高速回転です。

2013年10月12日 記

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