工作室 157 焼き板の箱
隣町に100円ショップ・セリアがあります。炎天下、散歩がてら行ってみたら、これまで見かけたことのなかった板材が置いてありました。「木板 焼き目付き」とあります。いわゆる焼き板(grilled plate)です。自分で焼くにはバーナーとそれを使う環境が必要ですから、これは安いと思ってひとそろい買って来ました。
製作
これで箱を作ろうと思い、まずは側板を切り出しました。
裏側はこうなります。焼き目は表面にしか付いていないので、切り口は木地むき出しになります。
枠を組み立てました。
ここで大失敗!うっかりいつもの木材と同じようにTitebond IIを使ってしまいました。これは乾くと固くなってがりがりと削ることが出来るのですが、色が黄土色になるのです。焼き板だと削ってしまうと木地が出てしまうので透明になる木工ボンド(日本のコニシ製)を使うべきでした。これを反省し、この後の作業はすべて木工ボンドを使っています。
天板は同じ焼き板で、底板は手持ちの端材を使って切り出しました。
これらを接着します。
箱が出来ました。
底は普通の板なので、上下の区別がつきます。
このままでは使えないので、蓋を切り出します。
内部はがらんとしているので、仕切りを作る事にしました。最初からそれを想定していれば切り込みを入れることができたのですが、行き当たりばったりの作業です。
仕切りを取り付けました。
行き当たりばったりとはいえ、今回、この比率にはちょっとした工夫を施してあります。
蝶番は買い置きの中からこのふたつを使うことにしました。色がちょうど合うのです。
側板の厚みが9mmあるので、今回はそれを利用して内側に隠す方式で取り付けることにしました。
切り欠きを小刀とノミで作りました。深さは2mmです。
ここに皿ネジで固定します。
さらに、蓋への取り付け位置を慎重に印を付けて・・・、
固定しました。
後ろ側はこうなります。ほとんど蝶番が隠れていますね。
開け閉めもなめらかに動きました。初めての方式だったので、かなり慎重に作業を進めました。
実は、先のオルゴール箱の製作の時にこの方式を試そうとしたのですが、条件が合わず途中で断念したのです。あのときの写真にはその残滓が残っています。
これで、ほぼ完成なのですが、やはり蓋を空けるときの取っ手があるといいですね。
そこで、端材を切り出して取り付けてみました。焼き板への接着では強度に不安がありますから、3mmの孔をふたつ空け・・・、
底に竹ひごを差しました。これはいつも使っている料理用の竹串ではなく、新たに買ったものです。竹串は2.7mmしか無くて3mmの孔にはゆるゆるでしたが、今回のものは3.0mmなのでしっかりとはまります。
接着剤が乾いたら、はみ出している部分をカットして完成です。
完成
さらに塗装をしてできあがりです。
小物を入れてみました。
2017年7月15日 記