工作室 62 輪ゴム銃3
最初に作った三連発の輪ゴム銃を参考にして5連発の輪ゴム銃を作ってみました。これまでの2作はYouTubeで公開されていたものでしたが、今回は設計から自分でやってみました。しかし、こんな単純なものでもなかなか難しかったのです。とはいえ、試行錯誤の結果、なんとか動く物が出来ましたので発表します。
A4の紙に鉛筆で描いていきます。この段階で何度も書き直しをしています。このときに役に立つのがこれです。
約35年前に買ったステンレス製の字消し板です。当時110円でした。このような設計図はほとんど描いたことが無かったのですが、コンピュータシステムの作図にはかなり使いました。最近ではパソコンで描けるのであまり使ってなかったのですが、こんな手描きの時には必需品です。
手描きの設計図をフラットベッドスキャナーでPhotoshopに読み込んで部品図に展開します。こういうことはパソコンだととても便利ですね。
これが完成した部品図です。これを紙に印刷して各パーツ毎にはさみで切り取り、それを板に貼って糸鋸で切り出します。。
部品ができました。両側の側板には3mmの合板を使っています。間に挟まる中央部分は9mmの桐集成材を使いました。なんとやすりがけをしていたら力が入りすぎてしまい、このように折れてしまいました。
中央部と左側板を接着します。折れた部分はこのようになるので問題ありませんでした。
引き金部にはこのように小さなヒートンをねじ込んで引き金をもどす輪ゴムをかけます。
引き金部を組み立てて、動作テストをしてみたら、どうも調子が悪いのです。引き金を引くと下に下がってしまいます。なるほど構造的な欠陥ですね。水平にささえる構造になっていないのでした。
ここに来て全体を作り直すのはもったいないので、引き金部だけを作り直して対応することにしました。このようにちょっと延長することにより、水平に動くようにします。
材料を切り出しました。
ついでに、引き金にかける指のじゃまにならないように、側板をこのように削ることにしました。
引き金部が滑らかに動くように、またすき間がありすぎてガタが生じないように調整します。このとき、無駄な摩擦を避けるために、写真のようにくびれをつけてみました。
改めて引き金部を組み込んで動作テストをしてみたら、とてもうまく動きました。やはり最初に設計は大事ですが、失敗の経験を積まないと分からないこともあるのです。
引き金部の輪ゴムは交換する事もありますから、右側の側板は木ねじで固定します。
全体に紙やすりで磨きをかけて完成です。
試射
引き金を引くと輪ゴムが一段上に上がっていき、最上段になると飛び出します。このように5連発の輪ゴムが飛び出しました。
2014年11月15日 記
再改造
何度も撃っていたら、引き金のこの部分(矢印A)のところで折れてしまいました。合板を使わずに弱い材料を使った為の構造的欠陥です。
そこで、接着剤で接合し、さらに矢印Bのところに骨接ぎのように孔を空けて爪楊枝を差して強度を補強したのですが、どうも不安です。
そこで、このパーツを作り直して、このように引き金部分を拡張してやりました。
ということで、これが最終的なかたちです。
引き金の強度だけでなく、使い勝手も向上しました。
2014年11月16日 記
設計図も
最初に描いた設計図も修正しました。
2014年11月17日 記