工作室 49 風量無段階可変扇風機
PCケースファンをPWM制御で無段階に回転数を変える。
また夏がやってきます。夏というと恒例化している扇風機作りですが、今回は風量を無段階に可変できるものを作りました。
ガラクタ箱に残っていたパソコン用のファンもこれが最後です。当然DC12Vで回転します。この回転数を変えるには、二つの方式があります。
- 可変抵抗器でファンにかかる電圧を変えてやる。
- ファンにかかる電圧は12Vのままにして、電圧がかかる時間をかえてやる。
前者の場合はモーターが回転する電圧の範囲はほぼ9Vから12Vと狭く、回転数そのものはあまり変化がありません。そこで今回は後者の方式を採用しました。
設計
どんな形にするか、いろいろとアイデアを描いてみました。その中から、持っている材料で作れそうなものを煮詰めて行きます。
六十の手習いでJW-CADの使い方を勉強し始めました。なんとか基本的な図面は描けるようになったので、今回の筐体を設計してみました。左側の三面図の他に右側にフロントパネルとリアパネルの部品図も描いてみました。
回転数を制御する為の回路としてはこれを使いました。秋月電子通商の「PWM(スイッチング)方式DCモーター速度可変キット」です。
キット内容はこのようになっています。
回路用の電圧の仕様は5V〜15Vとなっているので、ファン用の12Vをそのまま共用することにしました。
また、速度を変える為の可変抵抗器は基板実装用の小さなものが付属していますが、これでは実用的ではありませんから、別の物を使う事にします。
それがこれです。スイッチ付き可変抵抗器100KΩで1個80円です。これだと電源スイッチも兼ねているので工作がはかどります。
さらに電源用のDCジャックも必要です。いつも使っている1個40円のものにしました。
製作
キットを組み立てますが、不要な物は省きました。上の2個の青い部品は端子台で、配線ワイヤーをネジで留めるものですが、直接はんだ付けしたほうが簡単です。
箱を作るための板材を切り出します。
ファンを組み込みながら箱を組み立てます。
フロントパネルとリアパネルを切り出します。3mm厚のMDF板がありましたから使ってみましたが。どうしても足りなくてリアパネルは寸足らずになってしまいました。まあ、すき間から放熱ができるので、熱対策ということにしました。
それぞれ部品を取り付けます。
可変抵抗器の軸はツマミに合わせて5mmほど切りました。
基板の方は10mm厚の板に木ねじで固定しました。
まず、電源の配線をします。
さらに可変抵抗器への配線をします。
基板を載せた台座を箱に接着して、ファンの配線をします。
フロントパネルを接着します。
続いてリアパネルも接着します。端材の残りをよくみると、まだ使えそうなので、リアパネルをちょっと追加しました。ちょうどいい感じの放熱孔ができたということにします。
完成
木地そのままではどうしてももさっとした感じになるので、木目シートを貼り、ファンのまわりは黒く塗りました。
裏側はこんな感じです。まるで二つ作ったかのようにみえますが、表側の画像と並べただけです。
試運転
かなりの低速回転から最大回転まで変化させることができます。今、無音の微風の中でこのhtmlを書いてます。
費用
PWM(スイッチング方式)DCモーター速度可変キット | 500円 |
スイッチ付き可変抵抗器100KΩ | 80円 |
DCジャック | 40円 |
合計 | 620円 |
携帯電話スタンド
接着材を乾かしている間に、端材を使ってこのようなものを作ってみました。携帯電話を使い始めて10年以上になりますが、なぜこれまで作らなかったのだろうと、不思議に思っています。
2014年6月29日 記