工作室 164 鋸収納箱(Saw Storage Box)
今回は鋸の収納箱を作ります。29歳の時に仕事の都合で宮城県石巻市で買った物が一番の古参で、それから少しずつ増えてきて、これを一カ所にまとめようと思ったわけです。
現在、手持ちの物がこれです。用途によって使い分けています。
これは鋸を垂直にしたり、斜め45度にしたりして切るときの補助具(Saw Guide)です。これも一緒に収納できるようにします。
設計
まずは箱全体と、内部の設計からスタートです。
かなり大きくて重くなるので大きなハンドルを付けました。折りたたみ式で、たたむとこのように邪魔になりません。天板の上にでっぱりがでるので、ついでに枠を作り、臨時の物置皿として使えるようにしました。
箱の蓋をあける取っ手を付け、蓋をしっかりとロックする機構も取り付けました。
蓋を開けて中身の取り出しや収納時に蓋を立てて置くための機構も取り入れました。
これで設計完了です。これだけでかなりの日数がかかりました。左の画像をクリックするとSketchUpファイルをダウンロードできます。
製作
枠と天板・底板を切り出しました。
枠を組み立てます。
天板と底板を接着します。
箱ができました。
重さに耐えられるように釘を打っています。
蓋を切り離しました。実はここでちょっと失敗しました。天板の厚み3mmを考慮しないで合わせて20mmにカットしてしまったのです。設計図では23mmだったのに、いい加減な記憶でついやってしまいました。まあ実害はありませんが、やはり寸法図を印刷しておく方がいいですね。
蓋の内側に鋸を三本並べてみます。
これから現物合わせで枕木に採寸して、磁石を埋め込む穴あけ加工、仕切りの為の溝切り加工をしました。
仕切り板は3mm合板を使いました。
二枚に切り分けました。
6mmのネオジム磁石を8個打ち込みました。
これを蓋の内側に接着し・・・、
さらにネジ止めをして強度を確保しました。
枕木の上に鋸を並べてみました。ぴったりです。
内部の仕切りはまず、3mm合板をカットし・・・・、
9mmの板に溝を切って組み立てます。
ぴったりと接着できました。
収納してみます。余裕ありすぎですね。
上部のハンドル部のパーツを切り出しました。
ハンドルは直接手に当たるので、丸く削り出しました。
ハンドル部は180度回転できるようにします。その為、6mmの檜棒を芯として使います。
接着しました。
さらに強度を確保する為に3mmの竹棒を打ち込んで補強します。
接着剤を使って打ち込み・・・、
乾いたら、はみ出した部分をカットして完了です。
これを軸受け部に通してみます。ちなみに軸受け部の穴は7mmにしました。この7mmのドリルビットは最近買ったばかりで、このとき初めて使いました。
これを天板の上に取り付けます。かなりの力がかかりますから、下からはネジでしっかり固定しています。
脇の部分に皿をつくりました。物置皿としても使えますし、これによって全体がフラットになりますから、大きな物を載せることもできます。
蝶番で蓋を取り付けました。
これで基本的な部分ができました。
蓋のロック機構の為のパーツの切り出しをしました。これは以前にSanding Block Caseを作ったときの形とほとんど同じです。
さらに蓋を持ち上げるための取っ手も切り出しました。
これらを取り付けました。
拡大してみると、このようにしっかりと本体側の6mmの檜棒をロックしていることがわかります。
右に回すとロックが解除されて、窪みが3mmの竹棒に当たって停止します。
蓋を立てた状態に保つ機構を作ります。
夏の間にたくさん食べたアイスキャンティの芯を洗って乾かしておいたのですが、それをそのまま使うことにしました。寸法がぴったりなのです。この為に取って置いたという訳では無く、まったくの偶然なのです。
これを取り付けます。この状態で解放側はロックされます。蓋の重心は蝶番の回転中心よりも外側になるので、ひとりでに閉まるということはありません。単純だけどとてもいいしくみですね。
鋸類を収納してみました。
これで木地完成です。
今回はワトコオイルの一番濃いダークウォルナットで塗装しました。
完成
なかなかいい感じにできました。
ハンドルもしっかりしています。
開閉の様子がよく分かると思います。
2017年9月16日 記