工作室 258 顎までマスク
一年ほど前の日記には、朝の散歩で長い行列に出遭うことが多くなり、あるとき最後尾の人に並んでいる訳を訪ねたところ「マスクです」との返答を得て、なるほど花粉症は大変だなと思ったことが書いてありました。なにしろテレビは持って無いし新聞も購読していないのでコロナ騒ぎを知らなかったのです。そのうち新型コロナという声を聴いて、コロナはトヨペットなのに、なぜHACに並んでいるのかと不思議に思ったりしましたが、スウェーデンのクルマだとばかり思っていたボルボが中国のクルマになっていたり、工場を持たない会社がクルマを作る時代ですから、妙に納得したものです。新型コロナがトヨペットコロナの新型ではなく、武漢肺炎の事だと知ったのはその後のことでした。
それから一年、今ではマスクを掛けてて歩くのが日常となりました。マスクは鼻と口、すなわち呼吸器の入り口を守る為のものだろうとばかり思っていたのですが、鼻を出していたり、中には鼻も口も出して顎にだけマスクを掛けている人も頻繁に見かけます。これは特に顎マスクと云うそうで、鼻や口よりも顎を隠したいという人も一定数いるようですね。
そういえば、女性がマスクをかける理由のうちで、化粧をしていない顔を隠す為ということがあると聴いたことがありました。すると鼻や口を出して顎だけ隠しているのは無精ひげを隠すためだろうと推測されます。まさか顎で呼吸している訳ではないでしょうからね。
確かに、自分が通院している内科や眼科ではマスクをしたままの診察が行われます。歯医者ではそういう訳にはいきませんが、マスクで無精ひげを隠すという使い方もありえますね。
ただ、それだけでは納得できないのは、男性だけでなく女性の顎マスクも多いということです。はやり感染症にかかるよりも恥ずかしいものがそこにあるということなのでしょう。その昔、まだ女性が下履きを履いていなかった頃、高層建築、たしか浅草十二階だったかな、記憶があいまいですが、火事になって飛び降りなくてはならないとき、どうしても恥ずかしくて焼死した女性がたくさんいたという事件がありました。観られるくらいなら死んだ方がまし、というのは実際にあることなんですね。
設計
サラリーマン時代は毎朝ひげそりをしていたものですが、今ではほとんど無精ひげですごしています。その無精ひげをすっぽり隠すマスクを設計してみました。顎の部分を長くしただけです。
さらに高価な不織布フィルターを節約するために使用量を小さくしてみました。
画像をクリックすると別タブでPDFが開きます。
製作
PDFを印刷して型紙を作り、表地をカットしました。ほんとうは左側の生地でふたつ作ろうとしたのですが、思いの外生地が小さくてふたつ切り出せませんでした。あわてて、別の生地を使った次第です。
さらに、縫い線の型紙で縫い線を描き入れます。もちろんアイロンの熱で消えるフリクション・ボールペンを使います。
写真で見るとほとんど見えませんが、全面の曲線を縫いました。。
もうひとつの方も縫いました。
裏地と不織布フィルターも重ねて縫いました。不織布フィルターがひとまわり小さくなっていることがよくわかると思います。
今度は、表地の裏面両側に上部と下部の縫い線を描き入れます。、
表地と裏地+不織布フィルターを中表に重ねて縫います。
上部を縫いました。次は下部を縫います。
縫いました。
内側はこうなっています。表に返す前に曲線部に切れ目を入れたり余分な部分をカットします。
表に返しました。
内側はこうなりました。
さらにアイロンで整えます。ゴムを通す部分はこのように折って……
ゴムを通してまつり縫いをしました。
ゴムの長さを調整して結び目は隠します。
さらに不織布フィルターのロゴを貼り付けました。
もう一枚の方もこうなりました。
完成
これで二枚完成です。
想定通り、顎もすっぽり隠れます。
顎マスクをしている人にもお薦めしたいものです。
2021年3月21日 記