工作室 22 電子小鳥
ワンダーキット「電子小鳥」
秋になると虫の声が心地良いですね。江戸時代、江戸庶民はわざわざ武蔵野まで虫の音を聴きに出かけて行くくらいのブームだったそうです。江戸後期に来日した欧米人の書いた物を読んでいて、虫の音が雑音にしか聞えないというところでおどろきました。これは虫の音を日本人は左脳で言語として受け止めるのに対し、欧米人は右脳で音としてしか受け止められないかららしいです。
虫の音を発生させるモジュールが欲しいなと探していたら案外無いもので、目に入ったのがこれでした。ワンダーキットの「電子小鳥」、930円。リターンズと付いているから再販ということらしいです。
製作(キットそのまま)
部品点数が少ないので、あっという間に組み立て完了です。
電源は3Vから6Vと書いてあったので、テストとして単4電池を2本で3Vを与えてみました。基板にはDC標準ジャックが付いているのですが、わざわざスイッチング電源を使う程では無いので電池仕様とすることにします。
小さな圧電スピーカーではありますが、思ったよりもリアルな鳴き声で気に入りました。
製作(箱に入れる)
実用的に作るとなると、その都度電池の出し入れをするというのは不便なので、電源スイッチが必要となります。どんな仕様にしようかなと考えていたら、マウスを分解したときに基板からはずしたマイクロスイッチを思い出しました。左の3個は標準的なもので、「オルゴール箱」で使いました。右の3個はレーザーマウスから取ったもので、半分ぐらいの大きさです。こちらは端子が2本しか無くて押すとオンになるだけの単純な物ですが、今回はこれで充分ですから、これをなんとか使ってやろうと考えました。「オルゴール箱」のときは箱の蓋が開いてスイッチがオフになると電源がオンになるというしくみでしたが、今回は箱の上に物を置くとスイッチオンで小鳥が鳴き出すというアイデアです。
必要な内法に板の厚さを加えた寸法で箱の材料を切り出します。
箱の中に各パーツをどのように配置するかを考えながら組み立てていきます。
圧電スピーカーの音の出口を開けます。ダイナミック型よりずっと小さな孔で済みます。
マイクロスイッチにリード線を取り付けます。あまりにも小さいのでこの写真だとよくわかりませんね。
箱の天板の真ん中にマイクロスイッチを取り付ける孔を空けます。ぎりぎり入るように精密に加工する必要があります。今回の一番のポイントです。
マイクロスイッチを埋め込んだところ。
スイッチの出っ張りはわずか0.5mmです。
裏側はホットボンドで固定します。スイッチ自体がめり込んでしまったら、元も子もありません。
その上に基板を取り付けます。DCジャックは使わないので取り外そうかとも思ったのですが、じゃまにはならないのでそのままにしました。鳴き声のモード、ノーマルとランダムの切替スイッチがありますが、これはランダム固定とします。ノーマルだと同じ鳴き声が続くだけなのでつまらないのです。
電源は単4電池3本で4.5Vにしました。これだと3Vのときよりも鳴き声の間隔が少し短くなるようです。
電池ボックスの棚を作ります。
電池ボックス、圧電スピーカーを厚手の両面テープで取り付け、箱を木工用ボンドで組み立てます。
ひっくり返して正常なかたちにすると、こんな感じです。
電池ボックスはこのように底に下向きに付いています。ぶら下げるかたちになるので、両面テープでは経年変化ではがれる恐れがあるため、ホットボンドで固定しなおしました。
底蓋は半透明のプラスティック板にしました。これもぎりぎりぴったりに作ったのはいいのですが、一度はずすと裏表がわからなくなります。そこでひと工夫、写真のようにひとつの角を切り欠きにして残しました。
紙やすりで角をまるく仕上げました。やわらかな感じになりましたね。
試聴
このように何かを載せると小鳥が鳴き出します。本当は小鳥の模型を置きたかったのですが、持っていませんでした。
最初ピピッと鳴いて、しばらくするとピピピピとかピヨピヨピヨと鳴き声も変化します。
ところで、このようにまだいわゆるガラケーを使っています。日経BPコンサルティング「携帯電話・スマートフォン“個人利用”実態調査2013」によるとスマートフォンの国内普及率は28.2%らしいです。ほぼ4人に1人がスマートフォンを使い出しているらしですね。僕にはどこがいいのかさっぱりわかりませんし、必要性がまったくありません。
2013年10月6日 記