工作室 06 ゴキブルちゃん2号
はじめに
前回のゴキブルちゃんは、携帯電話のモーターで振動を起こして動きを与えるだけの単純なものでしたが、ゴキブルちゃん2号はもう少しちゃんとした動きをします。
左右にモーターを配し、その回転で進みますが、下の表のように状況によりモーターの回転を変えて向きを変えるのです。
障害物 | 動き | 左モーター | 右モーター | 回路図 |
---|---|---|---|---|
無し | 前進 | 右回転 | 左回転 | |
右側にある | 左に曲がる | 左回転 | 左回転 | |
左側にある | 右に曲がる | 右回転 | 右回転 |
モーターの回転方向を変えるには電流の向きを変えるのですが、その制御にマイクロ・スイッチを使います。
マイクロ・スイッチは単純に回路のオンオフだけではなく、切換スイッチとしての動作もでき、片側がオフになるとき反対側をオンにします。
ということで、全体の回路図は以下のようになります。
製作
主要部品はこれだけです。マブチモーターFA-130が2個、マイクロ・スイッチが2個、単三電池2本用ケース、そしてスライド・スイッチ。
シャーシを5mm厚の木の板で作ります。モーターは角度を付けて取り付けるので、アルミ板をこのように曲げてモーター・ベッドとします。
モーターとマイクロ・スイッチを取り付けます。モーターはアルミ板にテープを巻いて接着しますが、なぜかこのとき黒のテープが見あたらなくて、とりあえず手元にあったメンディング・テープを巻きました。
尾輪をどうしようかと考えたあげく、事務用クリップでこのように作りました。細い溝にはまるといけませんが、それも愛嬌でしょう。
モーター・シャフトに収縮チューブを二重にかぶせて車輪代わりとします。
触覚の髭は事務用クリップを伸ばして作りました。これをマイクロ・スイッチにどうやって取り付けるかでさんざん悩みました。Make:では米国人が平アースのメスを使ってましたが、100円ショップで探したら、オスしか置いてませんでした。安易に製品に頼るというのもいけません。徹底的にエコを追求するので、可能な限り自作します。そこでアルミ板をコの字型に曲げ、それを押しつぶして圧着する方法を思いつきました。
ちなみに、僕の言うエコはエコロジーなどではなく、エコノミー、すなわち倹約という意味です。
何度かテストをして最適な大きさを見つけ、こんな風にしっかりと取り付けることができました。
さて次に、胴体というか甲殻をどうやって作るのかが問題です。一般的にはこういう物をつくるには木型を作って熱したプラスチックをかぶせるのでしょうが、徹底的にエコにこだわる僕は、木型ではなく冷蔵庫にあった大根で型を作りました。こんな風に包丁で涙滴型を作りサランラップを巻きます。
適当に作っているように見えても実はきちんと採寸してあるのです。全長14cm、全高4cm、最大幅は前から4.5cmのところで6.5cmです。
その上から街で配っているティッシュ・ペーパーを紙粘土のように重ねていきます。糊は木工用ボンドをお湯で薄めて使いました。
乾燥させる時間を節約するために電子レンジを使いました。ある程度乾いたところで中の大根を取り出し、さらに乾燥させたのが、これです。
ちなみに大根は大根汁を作っておいしく戴きました。
脚は何でどういう風に作ろうかなと、最初はまた事務用クリップで作ってみたのですが、なかなかうまく出来ませんでした。そこで、ちょっとばかり贅沢ですが、スズメッキ銅線を使いました。10年以上もストックして置いた物で、もはや往年のスズの輝きはなくなっています。中身は銅ですから、やわらかく加工のしやすさは抜群です。
そして、完成です。なんともおかしな格好ですね。適当な塗料が無くて、木工用のニスを塗ったので幻の生物ツチノコのようにも見えます。
おなかをひっくり返すとこんな感じです。スライド・スイッチを端に付けたのは工作のしやすさの為でしたが、使い勝手からすると、やはり真ん中にすれば良かったと反省しています。
費用
今回新たに買ったものは単三電池だけでした。4本で105円です。
2011年2月20日 記