工作室 33 空き缶スピーカー

部屋でも携帯プレーヤーを聴きたい!

外出するときは大抵携帯音楽プレーヤーを使っています。と言っても音楽を聴くよりも録音したラジオ番組を聴く方が圧倒的に多いのですが。外出から帰って部屋に入っても、しばらく続きを聴いていたい時がありますが、部屋の中だとイヤホンは邪魔でしょうがありません。

そこで、続きをそのまま聴く事ができるように、こんなものを作ってみました。ナビスコのチップスターの空き缶を使って、アンプとスピーカーを内蔵し、ミニプラグで携帯音楽プレーヤーからの出力を増幅してスピーカーから音を出す装置です。ラジオの音声なのでモノラルでいいし、ハイファイ音質は必要ありませんから、こういうものでも続きを聴くには充分です。

使い方は、帰宅したら携帯音楽プレーヤーを一時停止にしてイヤホンを外し、代わりにこの装置のミニプラグを接続して電源を入れ、携帯音楽プレーヤーの一時停止を解除するだけです。

製作

実は数ヶ月前からアイデアを温めていたので、チップスターを買って中身を食べ、空き缶を保管していました。これは小さいサイズのものですが、同じ物がもうひとつと、長いサイズの物もあります。

ストックしてあるラジオ用スピーカーで、ちょうどいいサイズの物を見つけました。インピーダンスが8Ωと書いてあるので、アンプの出力とマッチングします。まあ大抵のダイナミック・スピーカーなら大丈夫ですけどね。

アンプはモノラルでいいので、『工作室 04 過去作品集 音響編』に登場しているLM380NというICを使ったいわゆる380アンプを使う事にしました。作った当時はテスト用にたまに使う事はあったのですが、ここ10年ほどは使っていないので思い切って分解してしまいます。

電源は従来通り006P乾電池を2個直列にして18Vにしますが、一応9Vでも動作するので電池が無くなったら改造して1個だけにするかもしれません。

この電池2個とアンプ基板をどうやって固定しようかと考えていたら、なんだかうまい具合にちょうどいいサイズの板きれが見つかりました。そんなうまい話なんてあるかとお思いでしょうが、これ本当なんです。やすりがけして面取をしただけです。

電池は輪ゴムで留めることにしました。その為に銅線を使ってこんな具合に輪ゴムをひっかける金具を作ってみました。

試しに電池を固定してみたら、ぴったりです。

アンプ基板は板厚が充分あるので釘で固定しました。適当に孔をあけたらちょっと斜めになってしまい反省です。

スピーカーとスライド・スイッチにリード線を付けます。

チップスターの蓋に孔空け加工をします。

スピーカーとスライド・スイッチをホットボンドで固定します。適当に選んだ材料でしたが、このとおりぎりぎりのサイズでした。

実は、最初はスイッチの事など考えていなかったのです。脇の方にでも付けようかなと漠然とは考えていたのですが、それだと電池交換の時の取り外しに困ります。そこで上部の蓋に付けるしか無くなり、スピーカーを偏心させてすき間を空け、そこに取り付ける事にしたのです。しかもスライド・スイッチはもっと小型の1回路のもので良かったのですが、ストックが無くなってしまい、こんな大きな2回路6接点のものを使う羽目になってしまいました。まことにストックはあらまほしきことなり。

表から見るとこんなにすっきりしています。むき出しだと、いかにも安物とわかるスピーカーも、サランネットを貼るとなんだか高級品に見えるので不思議です。

配線をします。ミニプラグは捨てるつもりの廃棄物保管箱の中からひっぱり出したものです。こんな事があるので、なかなか物を捨てられません。

このケーブルはステレオ用ですから、2芯のシールド線を使っています。写真ではショート防止の為の熱圧縮チューブで覆われていてよく見えませんが、アンプ基板に入力する直前で左右チャンネルを一つにまとめてモノラルにしています。

さていよいよ最終組立です。このままでは蓋が閉まりませんからミニプラグのコードの為に切り欠きを作ってやります。

中身はこんな感じでぴったりと収まっています。これで完成です。

試聴

iPhone型携帯音楽再生機を繋いで試してみました。ラジオのパーソナリティの声は思ったよりもいい音で聞こえますが、どうしても薄い紙の筒に入っているので、深みの無い音です。

こうなるともっといい物を作ってみたくなってしまいます。

2013年12月29日 記

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