工作室 132 アカゲラ (Whirligig 4)
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次のwhirligigは何を作ろうかなとあれこれ考えてみて思いついたのが、キツツキです。木をつつく連続反復動作を再現してみようと思ったわけです。キツツキの中ではやはりアカゲラが好きなのでこれに決めました。実はその昔30年ほど前、仙台に住んでいた頃、日本野鳥の会に入っていました。海辺や川原、そして山中にとあちこち探鳥会に参加して楽しんでました。
製作
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まずはアカゲラの写真を用意しますが、これは自分で撮ったものではなくネットで見つけた物です。
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これを三段階に縮小して印刷し、適当な大きさをみつけます。
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その内の一枚を使って、先に作ったLEDライトボックスを使って鉛筆でトレースします。
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これを型紙にして、9mm厚の板にはりつけ、さらに鉛筆で調整します。
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糸鋸盤で切り抜きました。
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型紙をはがします。Scotchのはってはがせるスティックのりを使っているので、こんなときとても助かります。もちろんはがした後でねばねばをこすって取り除く手間はかかりますが、はがれないよりは簡単です。
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やすりがけをして丸みをつけます。
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鉛筆で色を塗る下書きをして・・・、
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アクリル絵の具で色つけをしていきます。
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これで色塗りは完成です。重ね塗りは下地がしっかり乾くのを待つので時間がかかります。
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次にプロペラ・ハブを作ります。
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今回はちょっと工夫して、プロペラをネジ止め方式にしてみます。その為にこんな風に切り落としておきます。実はこの方が製作は簡単です。斜め45度にぴったりとプロペラ板の厚みに合わせてほぞを切るのは案外難しいんです。もちろんそういう工作機械を使えば簡単なのですが・・・。
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プロペラは前作とほぼ同じ形にしました。格好は悪いのですが弱い風でもまわる効率的な形です。
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ハブのどの位置に取り付けるかわかるように、このように孔を空けておきました。
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いちどネジで取り付けてみました。
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これを分解してワトコオイルで塗装しておきます。
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プロペラからの針金を通すパーツです。1.8mmの針金を通すために2mmの孔をあけてあります。
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重心位置にとりつける水平運動軸を通すパーツです。4mmのピアノ線を差し込むのに4mmの孔を空けて、さらにごしごしと少し拡張してなめらなに回転するように苦心しました。本来は4.2mmぐらいのドリルビットが欲しいところです。
上部(右側)には5mmの孔を空けて5mmの鉄球を埋め込んであります。(合成写真です。)
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さて、アカゲラをどのように木に止まらせて、どのように動かすかをこの段階になってあれこれ悩みました。何枚もイメージスケッチを描いて案を練った結果がこれです。
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このL型のリンケージを使ってプロペラからクランクで伝わった上下運動を横の運動に変換するというものです。
当初は4mmのボルトを軸にしようと考えていましたが、デザイン上から6mmのダボを使うことにしたので、このように孔を拡張して7,5mmにしました。6,5mmとか7.0mmのドリルビットも欲しいところです。
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いよいよアカゲラが止まってつつく木を作ります。鉛筆で描いて・・・、
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切り出しました。
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リンケージを木の内部に格納する為に厚みを持たせます。
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まずは片側だけ接着します。
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だいたいうまくできました。
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カンナとやすりで角を削って丸みを持たせます。
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6mmのダボを打ち込んで、ワッシャーをかませます
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アカゲラのしっぽに小さなヒートンをねじ込んで、これを0.9mmの針金で動かします。この部分はひっぱりよりも押す方に力がかかるので少し太い針金にしました。
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もう一枚ずつワッシャーをかまして・・・、
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もう片方の蓋を接着してリンク機構を内部に隠しました。
さらに木の上部にも蓋をします。大きめの板を接着しておいて・・・、
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このようになめらかにしました。
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立ててみると、こんな感じです。
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垂直尾翼はあれこれ考えてみた結果、飛行機型にしました。
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切り出します。
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カンナとやすりで丸みをつけました。
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本体ボディは前作とほぼ同じ物になりました。
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垂直尾翼を差し込む切り込みを入れます。
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このように垂直尾翼を差し込むのですが、重心位置を調整できるように差し込む量を調整できるようにしてあります。
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クランクを組み立てます。
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これを本体ボディに接着して・・・、
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さらにこのように3mmの孔を空けて・・・、
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いつものように料理用の竹串を差し込んでおきました。余分な部分をカットするとほとんど見分けがつかなくなります。
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アカゲラが止まった木を立てます。
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さらに下からネジで止めます。
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クランクとL型リンケージを0.7mmの針金で結びました。この部分はひっぱりがメインになります。L型リンケージには針金用の孔を空けてありましたが、先端に小さなヒートンを打ち込んで、トルクを稼ぐことにしました。10mmほど長くなるのです。
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プロペラを取り付けて・・・、
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重心位置を意識しながら垂直尾翼を取り付けました。
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重心位置はここです。
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その位置に準備して置いたパーツを取り付けます。
完成
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ワトコオイルで塗装して完成です。今回はアカゲラの鮮やかな色を目立たせるために他の部分は単純な焦げ茶色にしました。
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まったく風が来なくてこれしか動きませんでした。
2016年7月3日 記