工作室 28 mp3 Jukebox パネル編
単体でmp3再生したい。
9月に作ったこれはPCが無いと音が出ないという欠点がありました。わざわざ電源を繋いでPCを起動するなんてとっても面倒です。それよりもっと簡単に気軽に音楽を楽しみたいと思ってあれこれ考えていました。
mp3ジュークボックス
そんなときにネットでこれを見つけました。MP3 JUKUBOX MODULE。USBメモリ内のmp3ファイルをPC無しで再生するモジュールです。
さっそく取り寄せてみました。さっそくとは言っても構想がまとまるまで二ヶ月を要してからですけどね。
パーツ装着済み基板の他にコネクタ付きのリード線(電源・アンプへの出力・操作ボタン用)が入っていました。さらに乗用車の12Vバッテリー接続に使う抵抗器が一本。まあこれは不要です。
電源コードをよく見ると熱収縮チューブで基板が隠されています。手触りからすると、どうやら三端子レギュレーターで減圧しているようです。さらに調べてみたら、PCと同じに内部は5Vで動くようです。というか、mp3ですから、そんなの当たり前ですよね。説明書の規格としては、電源はDC12Vとなっていましたが、これなら15Vでも大丈夫です。というのは、想定していたアンプキットに付属するDCアダプタが15Vなんです。
手持ちのスピーカーユニットは「Tang Band タンバンド W3-582 8cm防磁型ポリプロピレンコーンフルレンジ」という物だけです。9年前の夏に買ってあれこれ使っていたもので、現在はユニットだけとなって保管していました。大きさもちょうどいい感じなのでこれを使う事にしました。
アンプは以前から気になっていた「電流帰還アンプ」を使う事にしました。これもネットで見つけたもので、一般的な電圧駆動方式のアンプよりも低音に強いので8センチフルレンジのスピーカーにぴったりだなと思ったわけです。これは部品だけのキットと完成品の二種類が販売されていますが、当然買ったのはキットの方です。
まずは操作パネル部分を製作
袋の中身を取り出して並べてみます。上の写真のように箱に内蔵する方式では無く、基板のみで動かせるようにすべてオンボードでまとまるようになっています。
しかし、実際の運用となると、これはかえって迷惑な話で、使わない部品がたくさん出てくることになります。こういう基板だけでまとまってしまうキットが案外多くて、ストックパーツがどんどん増えていきます。
まずは、基本的なパーツを取り付けます。抵抗器、小さなコンデンサー、大きなコンデンサーというように、小さな部品から取り付けては裏返してはんだ付けし、余分なリード線をニッパーで切り取るという作業を繰り返します。半田付け作業では、このように自作の排煙機が活躍しています。
大きめの基板に各パーツが整然と並びます。
電源・入力・出力それぞれに繋ぐためのリード線を取り付けます。この段階でそれぞれのコネクタは完全に無駄になりました。
これらの二枚の基板をどのように配置するかをあれこれデザイン画を描いて考えてみましたが、二階建てにする方式が一番妥当だと判断しました。
各基板を載せる棚板をいつも使っている田宮模型の1mm厚のプラバンで切り出します。袖のように見える三角の部分は折り曲げて棚を支える腕にします。
同じくフロントパネルを切り出します。孔の位置と大きさはとても重要です。これは現物あわせで決めます。
1階に該当する棚板にはアンプ基板を取り付けます。これはスペーサーで床上げしないでビスナットで直接留めています。
1階のmp3モジュールはUSBコネクタと孔の位置が少しでもずれると使えないという事になりますから、スペーサーを使ってしっかりと固定します。
裏側から見るとこんな感じです。ホットボンドで接着しています。先に2階の棚を取り付けて、次に1階の棚を取り付けます。
よく見ると、なんだか余計な孔が4つ空いていますね。これは勘違いして空けてしまった物です。こんな失敗ばかりしています。
mp3モジュールの操作ボタンは、色分けしてみました。後からみると、黒よりも緑などが良かったなと思います。
地下に該当する部分は電源部となります。電源スイッチは赤色のカバーが付いたトグルスイッチにしました。これは上の操作ボタンに合わせてカラフルにする為です。パイロットランプにはいつものようにLEDを使います。
2階のパネルに操作ボタンを取り付けます。
地下の電源部のパーツを取り付けます。LEDはホットボンドで接着してあります。当初頭の中で考えていた段階ではラグ板もホットボンドで取付用と思っていたのですが、うまい具合にビスがあったので、ネジ止めしました。まったく行き当たりばったりなんです。
電源の配線をします。
これは行き当たりばったりではなく、一応配線図と実体配線図を書いています。
各ケーブルを整理したらすっきりしました。スピーカーケーブルだけが外部に出ている状態です。
これでパネル部分は完成です。
操作ボタンは左から、「前の曲」、「再生・停止」、「次の曲」の順です。
USBコネクタの開口部は実にうまくぴったりとできました。満足です。
アンプキットに付いてきたアルミ削り出しのツマミが高級感を醸し出しています。実はこれを固定する為の六角レンチが見当たらず、あちこちの工具箱を探していたら、トルクレンチセットが出て来て、そのうちT8というサイズがぴったりと合いました。普段使わない工具はいつの間にか行方不明になってしまいます。
横から見るとこんな感じ。
二階建て構造がよくわかります。
後からだとこうです。
一階のアンプはほとんど見えません。
後は箱を作って収めることになります。
普通ならば、DCコンバーターのコネクタは箱の後部に取り付けますね。今回、こんな風に前面パネルに配置したのには訳があります。それは、これを取り付ける箱を交換できるようにする為なんです。つまり、このパネルの開口部が合うように、いろいろなデザインの、あるいはいろいろな大きさのスピーカーの箱に取り付ける事ができるということです。
その前に試聴します。ちゃんと音が出るかどうか、本当はかなりどきどきしています。
音楽が流れてきました。やったぁ!感激です。頭の中で考えた物がこうして実体化されて、しかもちゃんと動作するという事の感激。これが自作の面白さです。どんなパーツをどんな風に組み合わせて、どう配置してどう繋ぐか。ボタンの配置だけでも何枚もデザイン画を描いてみる。具体的に寸法を考えて組み立てる。実体に合わせて次の部品を切り出して、どんどん立体的になっていく。これが面白い。そして完成して想定通りに動く。感激します。
こうして、中学3年の時に始めた電子工作のこの面白さが、アラ還になっても続いているのです。
次回は
木製の箱を作って、スピーカーと今回のパネル部を組み込んで完成させます。
2013年11月17日 記