工作室 304 モルト交換(貼り替え)

中古フィルムカメラ購入

ようやく暖かくなってきて、カメラを持って春の景色を撮りに行こうかと思い、このところ若い人たちに人気となっているフィルムカメラを買ってみました。

Web上であれこれ探してみて、これに決めました。

FUJIFILM AUTO-8 QD TATEYOKO

1985年のものですから、今から37年前のものです。それでも僕にとっては新しいカメラという印象です。なにしろピントも絞りもシャッター速度も自動です。さらに日付も写せるのですから。残念ながら、その日付は2022年には対応していませんが。これは注文後に電話が入り、その旨伝えられましたがキャンセルしませんでした。どうやらこのところのフィルムカメラ・ブームで中古カメラの相場が上がっているようで、一万円以下は珍しいのです。

古いカメラで問題になるのは、まず電池です。現在の電池の電圧に対応していない物もあります。電圧が違うと露出計の値が違ってくるのです。このカメラはなんと単三電池で動きます。

それから光漏れを防ぐ為のモルトがだめになっている場合があります。

裏蓋を開けてみると、

やはり、ぼろぼろでした。ここはフィルムのパトローネを外から見えるように窓が開いている部分です。必要無ければ外側から黒いテープを貼ったりして窓を隠してしまえばいいのですが、なんとかモルトを自分で交換することにしました。

4年前もモルト交換

実は以前にもモルト交換をしたことがあります。

これは、2018年1月31日に買ったCanonのDEMI EE28です。なんと20台以上もカメラを持っていたのに、ハーフ・カメラは初めてでした。しかもこれは、ジャンク品として900円、税込972円でした。

このカメラは一見してわかるようにセレン式のEEカメラです。距離は目測で合わせ、絞りとシャッター速度はEE方式です。セレン式だと電池不要です。

セレン式ですから電池の問題はありませんが、裏蓋を開けると内部のモルトばぼろぼろでした。この頃のカメラは金属製ですから、裏蓋全体がモルトで密閉するように出来ています。現在ではプラステックの成形技術が向上していて、窓が開いている部分にしか必要ないのです。

これをなんとか自分で張り替えました。専用のモルトではなく、フェルトを貼っただけです。これでちゃんと撮影ができました。ほんとに安く済みました。

モルト交換作業

さて、今回のカメラのモルトのサイズをノギスで計ってみたら、このような寸法でした。

いきなり、フェルトを切り出すには無理がありますから、まずは紙で型を作ります。普通の紙ではなく、裏側に糊がついていて、そのまま貼り付けることができるラベル・シールを使いました。これがなかなか難しくて3回目でようやく正確に切り出せました。

これをフェルトに貼り付けます。セリアで買った厚さが3.0mmの厚手のフェルトを使いました。

フェルトの切り出しはさらに難しくてなんとかこのように切り出すことが出来ました。まあ多少のずれは問題ありません。

元のモルトを剥がすには無水エタノールを使う方法がありますが、そんなものは持っていませんので、根性でこすり取ります。

こんなにきれいにはぎ取ることができました。

ここに接着剤で貼り付けましたが、厚みが足りませんでした。

そこで、もう一枚貼り付けました。厚すぎるかなとも思いましたが、弾力性が強いのでうまく縮んでくれるでしょう。

試し撮りをしてみます。期限切れのフィルムを入れてみます。

裏蓋はうまく綴じるかな・・・、

問題なく綴じました。このようにパトローネの文字も読めます。

試し撮りとして一本撮ったら現像に出します。期限切れフィルムなので、色合いは微妙でしょうが、光漏れはわかるでしょう。期待大です。

2022年3月20日 記

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