工作室 193 Lilliput 2

以前作ったことのある超小型輪ゴム銃Lilliputをさらに薄く作ってみました。

というのは、夏に会ったいとこの孫の為に作る事を約束したからです。女の子ならばデリンジャーでしょうけれど、男の子だと恥ずかしがるかななどと、あれこれ考えた結果、こういうこととなった訳です。前回のものよりも小さな手で握りやすくするための工夫を二つ取り入れました。ひとつは厚みを減らすことです。内部のパーツの厚みを減らすためには薄い板を使えばいいのですが、そうすると強度不足になります。そこで加工が面倒ですがMDF板を使うことにしました。もうひとつはグリップ部に丸みを付けることです。接着剤で貼り合わせて一体化してがりがり削って丸みを出すことにしました。

型紙

型紙はPDFファイル形式でここからダウンロードできます。

https://mega.nz/#!VShhUZLa!-MhW2WJFQ6TU2CtMD7hm3Xl2IhtHoIfSH1gPB204SsU

製作

型紙を印刷して材料に貼り付けました。

内部の固定パーツは6.3mm厚のMDF板を使います。

内部の可動パーツは5.5mm厚のMDF板を使うことにしました。MDF板は削って薄くすることはほぼ不可能なので、はじめから厚さの違うものを使った方がいいのです。

ここは3mmの合板を使います。

一番外側の板は3mmのアガチス材を使います。

パーツの切り出し作業をしました。部品点数が少なくて作りやすそうに思えますが、小さいのでより精密な加工を要求されます。

同じものが二枚必要なパーツは板を二枚貼り合わせて一気に切り出します。

この可動バーツは実際に動かしてみて削って調整します。

バネを収納するパーツには孔を開けます。

最初に3mmの孔を開けました。深さは適当に調整しました。

おおよそのパーツが揃いました。

仮組をしてみます。

組立て作業の開始です。接着剤で貼り付けていきます。

ここにきて、バネのストックが無くなっている事に気付きました。というか、どこに収納したのか忘れてのかも?

そこで100円ショップでこのような6色ボールペンを買ってきました。

分解してバネを取り出します。

直径を測ってみると、3.6mmでした。

先に開けた3mmの孔には入らないので4mmに拡張しました。

ところが、実際に動かしてみるとバネの力が弱くて引き金を戻せないようなので、またボールペンを買ってきました。今度は一本ものですから、強いバネが入っていました。

直径はそれなりに太くて4.5mmありました。これは前回のLilliputで使ったものと同じでした。

4.5mmのドリルビットは持っていないので5mmの孔を開けました。6.3mmのところに5mmの孔を開けるのですから、かなり難しい加工です。手持ちの安価な中国製卓上ミニボール盤は軸がぶれるので精密加工ができません。そこで、日本のRYOBIのハンドドリルで2mm、3mm、4mmと少しずつ拡大して、最後の5mmは手作業で加工しました。最初のバネの時を含めて5回作り直しています。小さく作るのは本当に難しいんです。

これを貼り付けます。

バネはそのままでは長すぎるので適当な長さに切りました。

写真の矢印部分にバネの位置がずれないように設計図には無い突起を埋め込むという工夫をしてみました。

こうしてバネとクランクを取り付け、輪ゴムの巻き取り盤も組み込んで、もう片方のパネルの取り付けをしました。前回はネジで取り付けましたが、今回は子供用なので接着剤でしっかりと固定しました。

まだ荒削りですが、グリップ部に丸みを付けるため角を落としています。

最後のパーツは現物合わせで切り出します。

パーツを全部組み立てて木地完成です。この後もやすりがけをして仕上げました。

最後にワトコオイルのチェリーを二度塗りして完成です。

完成

やっと完成しました。

輪ゴムを装填します。

先端の窪みに輪ゴムをひっかけて伸ばし、巻き取り盤に絡めます。履き取り盤を手前に回しパチンと音がすると固定されます。これを何度か繰り返します。輪ゴムの種類にもよりますが、今回のものだと5本ぐらいが適当だと思います。

試射の様子です。

輪ゴムの飛んで行く先に人や動物がいないことを確認して撃っています。

2018年11月3日 記

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