工作室 97 発泡フォームカッター
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春にSpline Jigを作ったときにテストランとして作ってみたこの枠がそのまま残ってます。作っては見たものの、これだけでは何も使い道が無くて放置状態でしたが、ふと思い立ち、発泡スチロールや発泡ウレタン等のカッターの台枠にすることにしたのです。ニクロム線を縦にぴんと張り、電流で熱して自在な曲線をカットするというものです。
設計
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まずは鉛筆でイメージスケッチを描き、それを元にしてSketchUpで設計してみました。
左の画像をクリックするとダウンロードできます。SketchUp Viewerで任意の向きに回転させたり拡大縮小したりして観ることができます。![](97/03.jpg)
実際に製作するには寸法が必要ですから、各パーツをすこしずらして分解図にして寸法を入れました。これを印刷して切り出し作業に入ります。
製作
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適当な材料を切り出しました。設計では盤面は4mmの合板を使うつもりでしたが、ちょうど6mmのMDF板があったので、これに変更しました。
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埋め込みナットの取り付けをしました。
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これを組み立てて接着剤で固定します。
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ニクロム線にどれぐらいの電圧をかけたらいいのかわからなかったので、可変抵抗器で調整できるようにしようと思い、片方の回路が故障したものを利用することにしました。スイッチはスライド型にします。
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ニクロム線の取り付けはこのようにします。なにしろ発熱するのではんだ付けは不安がありますから、圧着端子を使うわけです。
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拡大するとこんな感じです。ボルトは皿型よりもなべ型の方がよかったのですが、手持ちのもので適当な長さの物がありませんでした。
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側板に取り付けます。
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配線をします。
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電源は単三電池を二本直列にして使います。
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枠の内側に釘で取り付けました。
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枠にはニクロム線を取り付ける際のドライバーが入るように7.5mmの孔を空けておきます。
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側板をとりつけアームを仮止めして6mmの貫通孔を空けました。
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この孔に6mmのダボを差し込んで余った部分をカットするとこのように綺麗に仕上がりました。
これを支点としてアームがてことして動き、蝶ネジをしめるとニクロム線を引き上げるテンションが発生するという機構です。
この孔は6.0mmのドリルビットで空けたのですが、ダボの直径は実測で6.2mmあります。ほんのわずかの差ではありますが、ぴったりはまるように削るのはとても面倒な作業です。
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設計時点では気づきませんでしたが、配線がむき出しです。
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これを隠すために蓋を作りました。2mm厚の端材を使ったのですが、ほんのわずか寸足らずでした。
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アームの先端にニクロム線を取り付ける仕掛けを取り付けます。
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これで上部アセンブリが完成です。
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盤面の裏側にケガキをして孔空け加工をします。
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一枚のMDF板では間に合わず、このように二枚になってしまいました。実際には横のサイズが大きすぎるくらいですが、今回は先に作ってしまった枠組みを利用することが主目的だったので、へんな格好になったのです。
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上部アセンブリを取り付けます。これは裏側から木ネジ二本でしっかりと締め付けています。
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裏側のニクロム線取り付け機構を組み立てます。
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ここにも力がかかりますから、表面から木ねじでしっかりと固定しています。
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上部アセンブリからはリード線が一本降りてきています。
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これを電池ケースにはんだ付けします。
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ニクロム線の取り付け作業をはじめます。ニクロム線を使うのは小学校の工作の時以来ですから半世紀ぶりということになります。
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最初に裏側から始めます。ぐるぐるっと巻いて二枚のワッシャーで締め付け、さらに圧着端子もナットで締め付けます。
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アームの先端にも同様にしてニクロム線を取り付けました。
アームの蝶ネジを締め付けてニクロム線がピンと張るように調整します。
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可変抵抗器にはツマミを取り付けて使いやすくします。
完成
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これで完成、・・・と思ったのですが・・・。
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試しに何か切ってみようと電源を入れたら可変抵抗器が焼けてしまいました。ニクロム線の抵抗は実測で0.7Ωしかなくて電流が3Aから4Aぐらい流れたためです。安易に廃品利用をしようと思い立ったのがあだとなりました。しかも直列に安易に直列に入れてしまいました。やはり定石通りに並列に入れるべきでした。とりあえずは可変抵抗器を迂回してニクロム線直結にして使ってみました。
ところが、電池二本では電圧が足りなくて切れ味が物足りません。この動画は三倍速にしているのですが、実際にはとんでもなく遅いのです。
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そこで、せっかく工夫して枠の内側に取り付けた単三電池ケースでしたが、これを諦めて、電池スナップ方式に変更しました。
この方式だと、いろんな電池ケースに対応できるので、電圧をいろいろと変更できるという利点があるのです。
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改めて試してみました。
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このときはエネループを4本直列に繋いでいます。電圧は4.8Vです。このようにとてもいい感じに切れます。これがベストな組み合わせかな。
2015年9月6日 記