工作室 89 小型柱時計
子供の頃、時計と言えば柱時計でした。僕はずっとゼンマイを巻く係で、毎日左右のゼンマイを巻いていた物でした。そういえば、あの柱時計はいつの間にか無くなっていましたが、どこに行ったのかなぁ?
そんな憧憬を込めて、今回は柱時計を作ってみます。と言っても、とても小さな小型の物です。
昔のゼンマイ式のユニットとなると、今ではとても高価なもので、なかなか簡単には入手できません。そこで、この100円ショップで手に入れた小さな目覚まし時計を使うことにしました。
分解すると、こんな風になりました。これでも水晶振動子方式です。目覚まし機能は使いませんから、OFFに固定しておきます。
時計ユニットの裏側はこうなっています。
設計
箱の設計はいつものようにSketchUpで行いました。なんとか子供の頃の面影を思い出そうとしたのですが、大体こんな感じだったなぁということぐらいしか覚えていません。写真も何も残っていないのです。
左の画像をクリックするとダウンロードできます。SketchUp Viewerで任意の向きに回転させたり拡大縮小したりして観ることができます。
柱に固定するものですから、電池交換は、ゼンマイを巻くのと同じように、このように蓋を開けておこないます。
材料の切り出しのために分解図もつくっておきます。
製作
設計図から割り出した寸法で材料を切り出しました。
箱枠を組み立てます。裏板は薄いMDF板を使いました。
台座というのでしょうか?底の飾りのようなものを組み立てます。軽くするために内側はくり抜いています。
これで箱が完成しました。
100円ショップで買った目覚まし時計の文字盤は、どうも柱時計には合わないので、Photoshopで描いてみました。
これを印刷して合板に貼り付けます。
なんとなく雰囲気が出てきましたね。
時計ユニットと痔・分・秒の針を取り付け、電池を入れると動き出しました。
本来ならば振り子の動きを外から見る為の窓ですが、振り子そのものがありません。そこで、ここは飾り棚にします。薄い青色のプラスティックでぼんやり中が見えるようにしました。
時計ユニットとプラスティック板を張り付けます。これには薄い両面テープを使いました。
表からみるとこんな感じの表面ユニットができました。
これを箱に取り付ける為に、蝶番を自作しました。また、ぴたりと締めて固定するのは磁石を使います。その磁石の相手には鉄のワッシャーを使うことにしました。
磁石は以前にもよく使った6mmのネオジム磁石です。これをこのようにして埋め込んで・・・、
箱に固定します。
これに対応する位置に鉄製のワッシャーをメンディング・テープで貼り付けています。
蝶番をネジで取り付けます。
実は、手持ちの蝶番が大きすぎて合わなかったのですが、小さい物を買うよりも、作れるのでは無いかとふと思い立ち、やってみたら出来たのでした。でも、一作目は穴の位置がちょっとずれて失敗し、これは第二作目なのです。
開ける側にはこのように、三日月型の切れ込みを入れて、とっかかりを作ってみました。
針の保護窓は目覚まし時計付属の物です。
これをはめ込むと完成です。
完成
とりあえず、こんなところに取り付けてみました。
飾り棚にはうさぎが住んでます。
2015年6月20日 記