工作室 86 Spline Jig
前に作ったロープクランプで接着面が小さい物を接合すると、どうしても強度不足になりがちです。そこで、補強材を埋め込むのですが、そのためのミニ・サーキュラソー用治具を自作してみました。
下の動画を参考にしました。なにしろミニ・サーキュラソー自体がいろいろと制約がある為に、同じ物を作る事はできません。
設計
なにしろミニ・サーキュラソー自体がいろいろと制約がある為に、同じ物を作る事はできません。丸鋸の幅はアサリを含めて1mmです。3mmのSplineを入れるには一度のカットではできないのですから。
いつものようにSketchUpで設計してみました。
左の画像をクリックするとダウンロードできます。SketchUp Viewerで任意の向きに回転させたり拡大縮小したりして観ることができます。
製作
2mmの合板の両脇に補強材を接着します。
ミニ・サーキュラソーにはレール溝がひとつしかありませんし、とても使いにくいので、筐体の側板そのものをレールで挟むという方式をとります。こちらの方が実用的なのです。
接着剤が乾いたらやすりがけをしてなめらかに動くようにします。
斜め45度の板をささえる為のパーツを取り付けます。
これで斜め45度の板を接着できました。
治具に切り込みを入れておきます。これが枠を装着する目安になります。
枠を装着して押さえるガイド版を作ります。上部に2mmのはみ出しがありますが、これが肝心なところです。
完成・テスト
ガイド版を載せると完成です。これはこのように自在に水平に動きます。
端材を使って実際に試してみます。
12mm厚の板があったので、両端を45度に切り落とし4本に切り分けて枠を作るパーツを切り出しました。角の部分に3mmの板を埋め込もうということです。
この間作ったばかりのロープクランプを使って接着します。
最初の切り込み位置を橋から9mmの位置にする為に厚さ9mmの端材を刃との間にはさんでガイド版をクランプで固定します。
このガイド版に剃って材料の枠を装着し、もう片方のガイド版もクランプで固定します。
最初の切り込みを入れたら、厚さ2mmの板を挟んでガイド版を2mmずらします。こうすると刃の厚みを入れて合計で3mmの切り込みができるというわけです。
この二つのガイド板の間で材料の枠を動かしながら切っていくと、このように幅3mmの溝ができました。
ここに3mm厚の板を挟み込んで接着剤で固定します。ちょうどうまい具合に、以前Sliding T-Bevelを作ったときの端材が残っていました。残っていたというよりも、もったいなくて捨てられなかったというのが実情ですけどね。
接着剤が乾いたら、余分な部分をカットします。これが案外難しくて、以前はかなりいいかげんな切り方になっていましたが、最近入手したアサリゼロの特殊なのこぎりを使うときれいにカットできるのです。
のこぎりの刃をよく見ると、本身よりも少し外側にそり出しているいますね。これが無いと摩擦が大きくて切りにくいのですが、精密加工にはじゃまになることがあります。このアサリを無くして本身の金属板と同じ厚みで切ることができる特殊な埋木切断用ののこぎりがあるんです。
ちなみに使っているのは、「Z ライフソークラフト 145」というもので、816円でした。
2015年5月23日 記